離れていても心一つに 共に育った級友との別れに涙 下川中卒業式  27人が学び舎巣立つ

【下川】

下川中学校(桑内寿則校長、生徒73人)の第77回卒業証書授与式が、12日午前10時から同校体育館で行われ、3年生27人が学び舎を巣立った。
本年度は新型コロナウイルスの影響も落ち着いて平常に戻りつつあり、卒業生と保護者、教職員、在校生がそろって出席した。
卒業生一人一人に桑内校長から卒業証書が授与された。
桑内校長は式辞で「卒業生の皆さんの堂々としたたたずまいに頼もしさを感じた。3年間、仲間と共に多様な人と関わり、多くの体験を重ねた。学んだこと一つ一つが次の一歩を踏み出す財産となり、背中を押してくれる。未来にはいろいろなことが待っている。くじけそうなとき、迷いそうなとき、支えてくれる人がいる。人とのつながりを大切にし、感謝の気持ちを持てる人、人を支えられる人、自分の言葉で未来を熱く語れる人になってほしい」と語った。
川島政吉教育長は「コロナ禍の制限を経験した皆さんだからこそ、未来を切り開く力も備わっている。自分を信じて挑戦し、時には立ち止まってコミュニケーションを高めながら、持てる力を十分に発揮することを期待している」。寺澤勇大PTA会長は「卒業後のステージには新しい人や場面との出会いがある。積極的に挑戦し人生の糧をつかんで」と祝辞を寄せた。
在校生代表の橋本花月さん(2年)は「いつも優しく接し、支えてくれる先輩を尊敬している。行事で先輩と踊りたいと思ったときも、先輩から誘ってくれてうれしかった。互いの個性を尊重し、ここぞというときにまとまる3年生を見習いたい。たまに笑顔を見せにきてほしい」と送辞を述べ、在校生で送別の歌「YELL」を合唱した。
卒業生代表の小西悠雅君は、中学校生活を振り返りながら成長を支えてくれた教職員や家族、後輩、地域に感謝の気持ちを伝え、「とても充実した3年間だった。同級生のほとんどが幼児のときから一緒で、長い時間を共有し、強い絆で結ばれている。離れるのは寂しいが、離れていても心を一つに、一人一人が自分の未来に向かっていくために頑張っていこう。みんなと同級生でうれしかった」と答辞を述べ、卒業生が涙をこらえながら門出の歌「ハルカ」を合唱した。