【名寄】
SL排雪列車「キマロキ」の冬囲いシート掛け作業が、23日から25日まで北国博物館北側の同車両で行われた。今年で展示保存50年を迎えた「黒光りの雄姿」が長い冬眠に入った。
「キマロキ」は、9600型蒸気機関車、マックレー車(かき寄せ式排雪車)、ロータリー車(回転式排雪車)、D51型蒸気機関車、車掌車で編成し、全長は75m。各車両の頭文字を取って「キマロキ」となる。
1975年のSL引退後、76年から名寄公園で展示保存。同年、名寄SL排雪列車(キマロキ)保存会が発足。93年から現在地のJR名寄本線跡で展示保存。2010年にJR北海道の準鉄道記念物に指定された。
「キマロキ」編成で保存されているのは国内でも名寄が唯一。毎年4月下旬から10月下旬まで公開。今シーズンは4月23日に冬囲いシート外し作業を行い、公開スタート。同保存会(菅野雅夫会長)が維持、管理を担い、日曜日と祝日は会員が説明に当たった。
全国各地から見学者が訪れ、遠くは熊本県や沖縄県、海外からは台湾の家族連れも。道内より道外の来訪者が多かったが、菅野会長は「地元の方もキマロキに関心を持ってほしい。キマロキを観光振興につなげることができれば」と願う。
今年は展示保存50年を迎え、7月19日から21日まで記念事業の「キマロキまつり」を開催し、多彩なプログラムでにぎわいを見せた。同館の第52回特別展「排雪列車キマロキ展示保存50年・深名線廃止30年記念展」も7月4日から9月9日まで開催された。
また、5月10日から6月1日まで毎週土・日曜日に運行した「花たび そうや」、9月13日から28日まで毎週土・日曜日の「ロイヤルエクスプレス」、10月4、5日の「秋たび そうや」が通過した際には、汽笛を鳴らしながら歓迎した。
排雪列車は本来、冬場に活躍しているものだが、「キマロキ」は風雪に伴う劣化や傷みから車体を守り、良好な保存状態を持続させるため、降雪前に冬囲いのシート掛け作業を行っている。
作業は、所管の同館から業者に委託して実施。同保存会員たちが現場に立ち会って指導するとともに、勾配やキロポストを示す標識などを撤去した。
ブルーシートを張りやすくするため、機関車など凹凸の多い車両には周囲に鉄パイプで骨組みを施した。
その後、車両全体にわたってブルーシートを二重に覆いかぶせながら、風で飛ばされないよう頑丈にロープを張って固定した。
冬の到来が間近に迫る中、全国の鉄道ファンに愛される「黒光りの雄姿」を良好な保存状態で残すため、冬の風雪や厳しい寒さから車体を守ろう―と念入りに作業に当たった。
「キマロキ」は来年4月の連休前に再び公開する予定で、長い冬眠に入った。
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