JR勇知駅100周年 地域住民が節目を祝う

駅舎や看板前で節目を祝う山元会長や松島駅長ら(勇知駅)

JR勇知駅が25日、開業100周年の節目を迎えた。これを記念し、上勇知老人クラブ(山元正雄会長)による懇親会が同日、同駅周辺で開かれ、会員や地域住民、関係者など約30人が和やかに語り合いながら祝福。引き続き、地域に末永く愛される勇知駅に―などと期待を込めた。

  同駅は1924年6月25日に、天塩北線稚内駅(現南稚内駅)―兜沼駅間の開通に伴い開業。長きに亘り、地域住民の通院や買い物、高校生の通学。また、かつては馬鈴薯やビートなど農産物の運搬にも活用。現在は普通列車が上下便合わせて1日7便(3往復半)停車し、地域の足として親しまれている。

  現在は無人駅となっているが、上勇知老人クラブでは、10年以上前から駅舎周辺の環境整備に励んでおり、今回の開業100周年にあたっては、先に駅舎前の花壇整備や駅舎内の装飾などを実施。懇親会で山元会長は「これからも地域のため、勇知駅を大切に長く使えるよう努力する」。来賓の松島輝将南稚内駅長が、これまでの同クラブの支えに感謝したほか「これからも皆さまに愛される駅として運営する。今後とも熱い協力を」などと挨拶。出席者みんなで駅舎や町内会で設置した看板の前で記念撮影するなど、節目を盛大に祝った。

  引き続き駅舎周辺でお祝いの焼肉パーティー。普段から、地元に親しまれる駅舎であることが伝わる和やかな雰囲気。参加者のうち古川亜希子さん(50)は「高校生の頃は通学で3年間、勇知駅から列車に乗った。運転手とも顔なじみになりました」。同じく通学で利用していた南浩美さん(76)は「昔は列車の便数も多く、朝に遅刻して乗り遅れても、1時間後に次の列車が来た」などと笑顔で思い出を語った。

  山元会長は「JRは地域の足として欠かせない。末永く残るよう今後も花植えなどの環境美化を続け、乗客増加に繋がれば」などと話した。 

(横山淳也)