名寄警察署 保護者から依頼を受けて 美深剣道少年団の指導に当たる 指導者が高齢化で減少し…

【美深・名寄】

 名寄警察署(菊地俊也署長)の署員たちが、美深剣道スポーツ少年団で指導に当たっている。指導者が高齢化などにより減少し、団員の保護者から依頼を受けて6月末から指導を始めており、二瓶祥司美深警察庁舎所長は「子どもたちも徐々に慣れており、しっかりと教えていきたい」と話す。
 美深剣道連盟の奥村昭夫会長によると、少年団の指導員は多い時で7人おり、地元住民や中学校教諭などが教えてきたが、高齢化や転勤によって減少。今年3月末時点では1人だけになった。
 本年度に入り、奥村会長のいとこの子どもに当たる河合翔太郎さんが町外から美深へと戻り、指導に当たっているが、それでも指導員は不足している状況だった。
 同署によると、署員が町内で飲食していたところ、団員の保護者から「他に指導できる方が見つからない。美深には子どもたちの習い事ができる環境が少なく、せめて現在、習っている剣道を続けさせたい。剣道の心得がある警察官に指導をお願いしたい」と依頼を受けた。
 また、団員たちが名寄や風連、中川の各少年団で練習したこともあったが、送迎する保護者は負担を感じていたとのこと。
 依頼を受けた署員が署内で協力を呼びかけたところ、剣道経験者の署員たちが管内の住民、子どもたちのために―と賛同し、ボランティアで6月末から指導を始めている。
 道内他市町村でも、警察官が剣道や柔道の少年団で指導する事例があるとのこと。
 現在は二瓶所長ら署員10人が交代で、毎週火曜日午後6時半から町民体育館小体育室などで指導に当たっている。
 二瓶所長は「剣道は礼節、礼法が大切なので、厳しいところも教えなければいけないが、子どもたちは徐々に私たちになじんできており、しっかりと教えていきたい。団員たちはセンスがあるので、さらに練習すれば強くなる」と成長を期待している。
 署員たちも「小さい子に教える機会はなかったが、意思疎通しながら理解してもらえるよう練習に取り組んでいる。少しずつだが、団員の子どもたちが増えている。警察官は転勤族なので、私たちがいなくなった後でも続くよう、地元の方による指導につないでいければ」と話す。
 団員は今年に入って2人まで減少していたが、その後、保護者の声かけもあり、現在は5人。体験入団や見学も合わせると11人を数える。
 会員、指導者の減少や高齢化などを理由に、剣道連盟の解散も検討していたとのことだが、現在は団員が増えているとともに、指導者がそろってきており、存続の方向となっている。
 奥村会長は「警察の方にお手伝いしていただき、初心者、中堅、上級とレベルごとに指導できるようになって、非常に助かっている。体験入団も多くなっており、指導者も必要となる」と感謝している。

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