伝統引き継ぎ初の寄贈 名寄高校家庭クラブ まごころ込めて作製 JR名寄駅に手作り座布団届ける

【名寄】

 名寄高校家庭クラブの生徒たちは、5日午後4時にJR名寄駅を訪れ、利用者のために―と、駅舎内待合室内にある椅子用の手作り座布団を届けた。
 駅への座布団寄贈の活動は1988年、旧恵陵高校時代からスタート。高校の統合を経て旧光凌高校、旧産業高校に引き継がれ、活動を継続してきた。
 だが、名寄高校との統合に伴って今年3月末で産業高校が閉校になるため、伝統の活動を今後も続けていきたい―との思いから、閉校前の2月、名寄高校が手作り座布団の寄贈活動を産業高校から引き継いだ。
 今回は、活動を引き継いでから初めての寄贈。名寄高校家庭クラブの1年生から3年生までの生徒10人が放課後に集まり、引き継いだ作り方を参考に、ミシンなどを使って手作りの座布団(大きさは40㎝四方)20枚を作製した。
 また、今まで寄贈してきた座布団と同様、デザインは東小学校児童と名寄市社会福祉協議会との連携授業「名寄ってこんなまち」で作ったカルタの絵札をプリントした。
 寄贈セレモニーは駅舎内で行われ、名寄高校の今中勇希校長が「恵陵高校時代から30年以上続いている伝統行事で、今回、産業高校から名寄高校へ引き継がれ、生徒たちが1枚1枚思いとまごころを込めて作製した。駅は出会いと別れの場所であり、生徒たちの座布団が人に寄り添い、温かい気持ちが伝わればうれしい。協力いただいた社会福祉協議会にも感謝している」と挨拶した。
 同クラブの生徒6人も出席し、代表して1年生の天谷優里さんが「放課後にみんなで集まって作りました。使ってください」と手作り座布団を届けた。
 これを受け取った同駅の高橋宏明駅長は「ありがとうございます」と礼を述べ、「産業高校が閉校となり、活動が終わると思っていたところ、活動を継続するとの連絡をいただき、非常に感激しました。駅は名寄の玄関であり、皆さんの心温まる座布団を設置することで待合室がきらびやかになります」と喜びを伝えた。
 セレモニー終了後、生徒たちが早速、駅舎待合室の椅子に新しい座布団を取り付けた。小学生時代にカルタをデザインしたという生徒もおり、懐かしさを感じながら交換作業に当たっていた。

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