旧豊清水駅 当時の木造駅舎が残る 他の廃駅が姿を消す中… 21年以降、宗谷本線で18駅廃止

【美深】

 JR宗谷本線は2021年以降、利用客減少に伴って18駅が廃止されたが、旧豊清水駅(現・豊清水信号場)は当時の木造駅舎がそのまま残っている。
 JR北海道では、利用客の少ない無人駅の廃止を進めており、宗谷本線では21年3月のダイヤ改正で南比布、北比布(以上比布町)、東六線、北剣淵(以上剣淵町)、下士別(士別市)、北星(名寄市)、南美深、紋穂内、豊清水(以上美深町)、安牛、上幌延(以上幌延町)、徳満(豊富町)の12駅が役目を終えた。
 以降も22年3月ダイヤ改正で歌内駅(中川町)。24年3月ダイヤ改正で初野、恩根内(以上美深町)の2駅。今年3月ダイヤ改正で雄信内、南幌延(以上幌延町)、抜海(稚内市)の3駅が廃止された。現時点では新たな廃駅は検討されていない。
 21年3月のダイヤ改正直前は宗谷本線で53駅あったが、現在は35駅に減っている。
 なお、豊清水、雄信内は列車交換(すれ違い)のための信号場に移行。レールが2線あり、ポイントと信号機が設置されている。
 駅が廃止されると、後に駅舎(待合室)やホームなどは撤去されることになり、駅があった面影は薄れてきている。
 安牛、南幌延、上幌延の待合室は当時の設置場所から少し離れた所で、南美深は1・5km離れた農業生産法人「株式会社百商屋」の敷地内に移設、保存されている。
 他の廃駅がその場から姿を消している中、豊清水は宗谷本線の廃駅でも当時からの木造駅舎が解体、移設されることなく、そのままの形で残っている。
 現在は冬季のポイント除雪に当たる作業員の休憩所として使用されており、山間にある駅舎が周囲の静けさとともに、駅があった名残を伝えている。
 豊清水駅は1946年10月10日、仮乗降場として開設。48年11月7日に初代の駅舎が完成。50年1月15日に正式な駅に昇格し、貨物と荷物の取り扱いも開始したが、74年10月1日に貨物、84年2月1日に荷物の取り扱いが廃止された。
 78年に現在の2代目の駅舎に建て替えられた。84年11月10日に出札・改札業務を廃止。86年11月1日に宗谷本線で電子閉塞が導入されたことに伴い、駅員が無人となった。2021年3月13日のダイヤ改正で駅としては廃止され、信号場に移行した。

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