「協働」の地域社会を目指して

フォーカス第3部は、名寄市においても増加している外国人と地域社会とのつながりについて、「協働」をキーワードに、現状と課題などを全5回に渡って掲載する。

1 技能実習制度と特定技能制度

外国人の技能実習制度が1993年に制度化され、2017年11月に「外国人の技能実習の適正な実務及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)」が施行、新たな技能実習制度がスタートした。19年には、労働力が特に不足している特定産業分野の人材確保を目的に特定技能制度が創設され、現在、12分野(介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業)で外国人労働者の雇用が認められている。
技能実習制度と特定技能制度について表1にまとめた。
技能実習制度は、受け入れた実習生に、日本の技術や知識を習得させ、帰国後に出身国の経済発展を促すことで、技能の習得と技術移転にある。一方、特定技能制度は、特定の分野の労働力を補うことで、日本の労働力不足を解消することにある。
また、特定技能制度は、「1号」と「2号」に分かれている。1号では在留期間は5年で、2号は、要件を満たせば、永住権が取得可能。家族の帯同についても、1号では認められていないが、2号では認められている。このように、2号が優遇されており、介護以外の11分野(介護については、介護福祉士の資格取得が要件)については、23年から対象分野が拡大された。
日本の外国人労働者数は、厚生労働省「外国人雇用状況」によると、22年現在183.2万人(10年前の約4倍)で、労働者人口の2.7%を占めており、北海道においても増加している。
一方、名寄市における外国人の登録者数は、24年2月1日現在、91世帯101人で、10年前の14年に比べて世帯数で55世帯、人員で36人増加している。(表2)
登録者101人を国籍で見て見ると、ベトナム21人、中国12人、ネパール11人、フィリピン11人、ミャンマー9人、インドネシア8人と、上位は全てアジアの国々である。101人のうち、98人が中長期在留者であるので、殆どの人が仕事をしていると思われ、国同様、名寄市においても、外国人の労働者は確実に増えていることが伺える。