稚内海友会が、北方記念館・開基百年記念塔で開催している底びき船の歴史を振り返る写真展。毎週末に同会の中澤和一会長が展示会場で、来場者に写真について解説。稚内の産業や経済の発展に大きく寄与してきた底びき網漁業。かつての賑わいや船乗りの熱い思いを伝えている。
底びき船乗組員のOBらで構成する稚内海友会。市内の様々な場所で定期的に写真展示を行っている。中澤会長は底びき船の元漁労長。通信士を含め、35年間に亘って船乗りとして活躍した。
今回は底びき網漁業の全盛時代の資料のほか、写真では甲板を埋め尽くすタラやニシン、ホッケをはじめ、タラバガニやズワイガニの大漁、港内を埋め尽くす流氷、岸壁に停泊する底びき船の様子など約40点を展示。
中澤会長は法被姿で「50年ほど前に稚内では三大ガニ食べ放題ツアーがあり、観光で多くの人が来ていた。それだけ沢山カニが獲れていた」、「かつては寝ないで操業し、1回の航海で1億円稼いだ」などと昔の話を加えて解説。観光客も漁業の歴史に興味や関心を深めている。
写真以外にもモールス信号の機器も置き、自由に体験できるようにしている。中澤会長は「稚内の繁栄を築いた底びき船の歴史。市民でも若者の中には知らない人も多いので、伝えていくことが私の使命と思う。元気なうちは続けていきたいですね」と語る。
土・日曜日のいずれか週に1回、展示会場で解説。ツアー客や地元町内会など団体の依頼があれば出向くという。写真展示は26日まで。
(梅津眞二)
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