介護福祉士国家資格に合格 川島総合サービス グループホーム「なごみの家」のダン・ティー・ハンさん 「訪問介護に挑戦したい」と意欲

【下川】

株式会社川島総合サービス(川島恭平代表取締役)が運営するグループホーム「なごみの家」で働いているダン・ティー・ハンさん(25)は、介護福祉士国家試験に合格した。同社(グループ法人を含む)が雇用する外国人のうち、介護福祉士の取得は初めてで、ハンさんは「訪問介護にも挑戦してみたい」と意欲を見せている。
 ハンさんは1999年5月9日、ベトナム・タイグエンの生まれ。2018年4月に留学生として来日。東京の日本語学校を卒業後、観光関係の専門学校に入学。しかし、新型コロナ感染症拡大の影響でアルバイトなどもできなくなり、1年で退学を余儀なくされた。
同社は、特定技能ビザで働く外国人の受け入れを支援する登録支援機関でもあり、ハンさんの苦境を耳にした川島代表が、グループホームでの就労を提案。その後、ハンさんは在留資格「特定技能1号」を取得し、21年2月から「なごみの家」に就労。22年には日本語能力試験のN2に合格した。
職場では当初、利用者の食事の用意、利用者への対応などを行っていたとし、「分からないことは、スタッフの皆さんがいつも優しく丁寧に教えてくれます」と、実務者研修資格を取得。その後も実務経験を積み、今年1月に旭川で行われた介護福祉士国家試験を受験し、見事一発合格。3月25日付で介護福祉士の国家資格を取得した。
ハンさんによると、昨年9月ごろから受験勉強を開始。「分からない漢字はスマホで調べながら、一日2時間ほど勉強し、試験直前の2週間は毎日勉強しました。自信はありませんでした。初めての受験なので、合格できなくても仕方ないという気持ちで試験に臨みました」とのこと。
合格の知らせを受け、「すごくうれしかったです。ベトナムにいる家族にも連絡し、みんな喜んでくれました」と笑顔。
現在は、外国人就労ビザの一つである介護ビザ(在留資格「介護」)を申請中とのこと。介護ビザを取得すると在留資格の更新を行いながら、日本で永続的に働くことが可能になるとのこと。また、家族や配偶者を日本へ呼んだりすることもできるという。
川島代表によると、現在雇用している外国人労働者は、ネパール、ミャンマー、インドネシアなどからグループ法人全体で15人(このうち3人が通訳)を各施設で雇用しているが、介護福祉士を取得したのはハンさんが初めて。
介護福祉士の取得により、これまで規制されていた部分も緩和され、より仕事の幅も広がることから、「これからも先輩方に教えていただきながら、名寄の職場で働いたり、訪問介護もやってみたいです。機会があればケアマネジャーなどにも挑戦したいです」と意欲。
スタッフからは「すごくてきぱきと動く。スタッフもみんな『ハンちゃん』と頼りにしている」。
川島社長は「ハンちゃんの頑張りを誇りに思う。彼女を目標に、どんどん介護福祉士の試験に挑戦してもらいたい」と語る。

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ダン・ティー・ハンさん