「これまでで一番の出来」と手応え スノーボールが美しく咲く 水間さん 多くの来場呼びかける

【名寄】

市内日進地区のなよろ健康の森北側に位置する「森と水辺のゾーン」では、球状にたくさんの花を付ける「スノーボール」が美しく咲き、訪れる人を楽しませている。丹精込め花を育てている市内在住の水間政光さん(85)は「花は緑がかっており、現在(4日)は3分咲きといったところ。あと10日ほどで満開になると見ており、ぜひ多くの方に来てもらいたい」と語る。
「スノーボール」は、スイカズラ科カマズミ属の樹木。数多くの白い小さな花びらを球状に付けていくのが特徴で、花は同種同属のオオデマリにも似ている。
この「スノーボール」は、雪質日本一の名寄にちなみ、夏場に花のスノードームを表現して、名寄を広くPRしよう―と、当時の名寄市役所の職員自主研究グループが、2009年から栽培を始めた。白く美しい花のトンネルに仕上げることを目指し、現在は水間さんが手入れをしており、今年で15年目になる。
スノーボールは、南北に延長50mにわたって、左右12本ずつ植栽。スノーボールは、アーチ状に組まれたアルミパイプに沿って上に向って成長し、樹高は2・5m程度で、花のトンネルを形作っている。
トンネル内は散策路になっている。集めた落ち葉を敷き詰め、その上に土をかぶせたものが幾層にも重ねられていて、散策路を歩くとふわふわとした不思議な感触を味わうことができる。
水間さんは、美しい花を来場者に楽しんでもらいたい―と、一年を通じて花の管理を行っている。最も厳しい作業は冬の管理とのこと。冬場はアルミパイプの枠組みに網をかけて花を保護。枝が雪の重みで折れては大変―と、冬期間はスノーシューを履き、深い雪をかき分けながら雪下ろし作業を何度も行っているという。
夏場は水やりや、周辺の雑草を取り除き、葉が緑に色付き始めるころからは、害虫がつかないように―と消毒作業も欠かせない。
水間さんは「スノーボールだけでなく、この自然の空間ではアジサイ、ツツジなど季節の花々や、オニグルミと信濃クルミの違いを体感できるコーナー、魚釣り、さまざまな虫の鳴き声など、一年を通して楽しむことができる場所」と、魅力あふれる場所へと育んできた。
今年のスノーボールは「これまでで一番の出来」と、手応えを感じている様子。水間さんは「年々、花の数も増え、苦労のかいあって、ここまで成長してくれた。だけども、まだ途中。来年はもっと美しい姿を見せてくれるだろう」と笑顔。
公園を管理する名寄振興公社が、ゾーンの案内看板を新設する予定とのことで、「より訪れやすい場所になってくれるのでは」と、今年も多くの来園に期待を込める。