【名寄】
名寄市男女共同参画セミナー「子どもに伝えたい性の話」が、11日午後6時20分から「よろーな」で開かれた。
名寄市、名寄市男女共同参画推進委員会(大坂祐二委員長)の主催。講師は、助産師で、子育て・親育ての会代表の吉田征子(せいこ)さんが務めた。
講師の吉田さんは、命の授業を通じ、幼児から大学生、保護者へ命の誕生や命の大切さを伝えながら、包括的性教育の普及に尽力。2023年には市内の助産師や元幼稚園教諭ら有志とともに「子育てサロン マナ」を開設、子育て中の母たちに寄り添いながら、子育て支援を展開している。
セミナーには市民約40人が参加。吉田さんは日頃、幅広い年代を対象に行っている、身体や生殖の仕組みだけではない、幅広いテーマを含む包括的性教育について講演した。
吉田さんはこれまでの活動を振り返り、「指導するマニュアルがないため、学校から事前情報をもらい、それを基に映像を作成したりしながら、20年間試行錯誤し、少しずつ内容を膨らませてきた。当初、(妊娠して)病院を訪れる子どもたちを減らしたい―という思いがあった。それは自分の体について学んでいない、教えられていないためで、それじゃあ私が知らせよう―と始めた」と説明。
吉田さんは、年代に応じた教育内容や、SNSを通じた被害と加害、性の多様化(LGB TQ)への理解、同意のない性行為は「不同意性交罪」に当たること、性暴力(デートDV)など、吉田さんが日頃行っている包括的性教育(人間関係や価値観など八つの項目からなる、性を含めた健康教育カリキュラム)について映像を見ながら解説。
吉田さんは「これをどのように、より多くの子どもたちに伝えていくかが課題。今日の話を聞いて、私ならこう伝えようかな―と考える時間にしていただき、身近な子どもたちに伝えてほしい」と呼びかけた。
また、セミナーの前段、名寄市男女共同参画推進事業者等表彰式が行われた。同表彰は第2次名寄市男女共同参画推進計画に基づいた取り組み。男女が共に働きやすく、子育てしやすい環境づくりに積極的に取り組んでいる事業者などを毎年表彰している。
本年度は、助産院「のぐち母乳育児相談室」の助産師、野口智子さんが受賞した。
野口さんは、看護師、助産師として医療機関で勤めた後、自宅で助産院を開院。訪問、来院による相談支援をはじめ、商業施設での相談、市内施設でのサロン開催、市の子育て支援センターでの講話など幅広く活躍。2018年10月からは市が行っている産後ケア事業を受託し、母親の産前産後のケアや、地域の女性たちが、より良い生活を送れるようなケアの提供を行なっている。
加藤市長から表彰状を受けた野口さんは「できる限りお母さん方が望んだ子育てができるように、何をしたらよいのか―ということを考えながら日々仕事をしてきた。開業して4年たった時に、4番目の娘を出産したが、たくさんの人に助けられながら仕事をほとんど休むことなく続けてこられた。これからもできる限り、お母さんと子どもたちが楽しんで生活できるようお手伝いができれば―と考えている」と礼を述べた。
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