恐怖心乗り越え楽しむ 下川でスキージャンプ体験会

【下川】

下川町公民館主催の第5回スキージャンプ体験会が、21日午後3時から下川スキー場シャンツェで開かれた。
下川は、小さなジャンプ台から少しずつ技術を磨くことができ、岡部孝信さん、葛西紀明さん、伊東大貴さん、伊藤有希さんなど世界で活躍する選手を輩出。町で盛んなジャンプを多くの人に体験してもらおう―と毎年、体験教室をしており、地元ジャンプ少年団の団員数拡大に結び付ける狙いもある。
今回は町内を中心に小学生や中学生の他、大人含む13人が参加。下川町教育委員会スキー専門指導員の竹本和也さん、下川ジャンプ少年団の団員が指導とサポートを務めた。
少年団でゲレンデに手作りした二つの小さなジャンプ台を使って、基礎練習からスタート。始めはそのまま滑って感覚をつかみ、慣れると飛ぶ瞬間にジャンプし、徐々に飛距離を伸ばした。
この日は吹雪に見舞われたが、雪と強風にも負けず、夢中でジャンプを繰り返した。ミニヒル級(K点8m)の台にも挑戦し、ジャンプの楽しさを体感していた。
「転倒せず安定して着地するため、助走路で引かれることなく、体の重心を中心に保ち飛ぶこと」「無理なスピードではなく、楽しく、スキーを簡単に操作できるスピードで飛ぶこと」「競争ではないので他と比較せず、楽しくジャンプをすること」など助言を受けていた。
ジャンプを体験した小学生は「フワッと浮いて楽しい」などと感想を述べ、スタート時の恐怖心に打ち勝ち、転倒せずに着地できたことは、貴重な成功体験となったようだ。
指導者や見学者たちは「冬休みが明けるとスキー場の利用が一気に減る。閑散としたスキー場を見るのが寂しかった。イベントの開催によって、スキー場やジャンプ台の利用が増える」と話す。
コーチを務めた竹本さんは「参加者のほとんどは子どもだが、大人も楽しんでくれてうれしかった。普段のスキー場ではジャンプの他、アルペンスキー、スノーボード、クロスカントリーなど、さまざまなウィンタースポーツに利用していただいている。他の市町村ではできないジャンプ体験会を開催することで、より一層この下川スキー場を、楽しんでいただけたのではないか」と語る。