【美深】
第2回美深町議会定例会が、18日午前10時から町役場で開会。会期を20日までとした後、午前中は草野孝治町長が行政報告、2議員が一般質問を行った。
行政報告では、小規模ホームセンター「DCMニコット」が旧美深警察署跡地(国道40号・町道6線交差点角)に出店することを明らかにした。
跡地は町有地で、DCMニコットから土地賃貸の申し込みがあり、町では遊休地の有効活用や町民の利便性向上を踏まえ、町商工会とも協議し、土地賃貸契約を締結するとしている。
土地面積は4299.11平方m、賃料は年額30万円、賃貸期間は今年7月1日から2039年6月30日までの15年間を予定。
今後のスケジュールは、7月1日に工事看板を設置し、11月22日のオープンを予定している。
23年度の各会計決算状況では、一般会計が歳入57億4947万9千円に対し、歳出51億2573万5千円となり、差し引き6億2374万4千円の黒字。繰越明許費繰越額を除いた実質収支額は5億3123万5千円で、財政調整基金に2億6570万円を積み立て、翌年度会計に2億6553万5千円を繰り越した。
一般質問では、藤原芳幸議員が「人口減少での新たな課題、どう向き合うのか」で、上下水道、ごみ収集、スポーツ・文化事業はこの先どのように維持、運営するのか。公共施設や生活インフラの老朽化による更新、改修が発生する中で、今後どのような考えで整備するのかを質問。
草野町長は、第6次総合計画を基本に、公共施設等総合管理計画や橋りょう長寿命化計画などの個別計画に基づいて維持管理しており、「大規模な補修となる場合、施設の配置や規模では複合施設による集約化の検討も必要となる。本年度から2カ年で立地適正化計画を策定することにしており、市街地を中心にまちづくりの在り方を検討する」と答えながら、まずは各施設を長寿命化して使用することを説明した。
また、町民体育館は23年度から耐震診断とアスベスト調査、本年度は改修工事の実施設計を行い、25年度から大規模改修工事に取りかかること。町文化会館COM100は開館から25年が経過して機械設備の老朽化が進み、冷温水機の更新を実施しており、今後は建物全体のメンテナンス、改修が予想されることも説明した。
人口減少で居住者がいなくなった地域は昔の環境に戻りつつあり、これまで保てていた野生動物との距離にも変化が生じ、被害も増える中、被害に遭わないための緩衝地帯の確保など、対策について質問。
草野町長は、ヒグマの出没が急増し、19年は目撃11件、捕獲1頭だったのが、昨年は目撃67件、捕獲25頭に増加したことを説明しながら「緩衝地帯は耕作地の電気牧柵と考えられる。野生動物との接触を避けるため、居住地周辺の環境整備が必要で、野生動物が隠れる茂みをつくらないよう草刈りをすること、生ごみを捨てないことをお願いしたい」と答えた。
名取明美議員は「放課後等デイサービスの必要性について」で、児童福祉法に位置付けられた障がいのある子ども(小学1年~高校3年)を対象とした福祉サービスを実施する考えで質問。
草野町長は、現在、町内に放課後等デイサービスを実施する事業所がなく、2人が名寄市内の事業所に通っていること。町によるデイサービス利用料の補助があり、希望者に対応していることを説明した。