「異文化に触れ勉強に」楽しかった思い出語る 名寄日台親善協会、中学生台湾派遣事業の帰国報告会

【名寄】

名寄日台親善協会(中島道昭会長)の中学生台湾派遣事業帰国報告会が、26日午後6時から「よろーな」で開かれ、参加した生徒たちが、台湾での思い出などを語った。
名寄市と台湾との交流は、友好交流自治体の東京都杉並区が取り持つ縁で2013年度からスタート。中学生の交流は当初、中学生の野球交流や教育旅行の受け入れなどを展開してきた。その後は、人的交流に内容を見直し、18年度からは「中学生台湾派遣事業」を開始。
新型コロナの拡大を受け、19年度の派遣以降、中止を余儀なくされてきたが、その間もリモートで中学生同士の親交を育み、本年度、4年ぶり3回目となる派遣事業が行われた。
派遣事業には、名寄中生5人と東中生4人、引率の名寄中教諭、同協会、市担当職員の計12人が参加。今月9日から12日までの日程で台北市を訪問した。
中山国民中学の生徒との交流では、日本語での歌のパフォーマンスなど歓迎を受けた他、名寄の生徒も中国語で名寄市を紹介。折り紙体験やロボット製作などを通じ親交を深めた。この他、台北市立動物園、龍山寺、国立故宮博物院などの見学を行った。
一方、中山中学の生徒、教職員が教育旅行の一環で、21日から23日にかけて名寄を訪問。22日には台湾を訪れた名寄の中学生との交流も行われ、久しぶりの再会を喜び合った。
帰国報告会で、同協会の藤田健慈副会長が「初めての海外で、発見や喜びがたくさんあったと思う。大人になったとき、今よりももっと、いろいろな国の人々と交流する時代になっていると思う。今回の経験を生かして、一回りも二回りも成長してもらいたい」と挨拶。
引率した、市経済部交流推進課の滋野亜由美さんが、飛行機内や台湾で撮影した写真を紹介しながら、現地での子どもたちの様子を報告。
引率者代表の中村靖名寄中学校教諭が、現地で体験したことなどを報告して、「食文化の違いや、言葉の大切さを痛感した。一方で、台湾の方々はフレンドリーで、生徒たちもすぐに打ち解けることができた」などと話した。
参加した中学生一人一人が台湾での思い出を振り返り、「中山中学のみんなとの交流が一番の思い出。より仲良くなれるよう、英語の勉強をがんばりたい」「パイナップルケーキ作りが楽しかった」「異文化に触れ勉強になった。またこのような機会があれば参加したい」などと語った。
最後に加藤剛士市長は「対面で異文化に接することの素晴らしさを感じることができたと思う。世界は広く、日本の名寄の中で、どう生きるか、皆さんの活躍を期待している」と述べた。

台湾での思い出を語った中学生たち