下川・森ジャム 多彩なアートや料理 雨の森林を楽しむひとときに

【下川】

森林の中にカフェ、マーケット、アート、体験などを盛り込んだ「森ジャム」が、6、7日に住民参加型の森林づくりが行われている「美桑が丘」と隣接の桜ヶ丘公園で開かれた。
町内有志の実行委員会(山口駿人実行委員長)主催で、各地から40を超えるこだわりの店が並んだ。
雨が降ったりやんだりの不安定な天候だったが、幅広い年代の人が訪れ、雨ならではの森林を楽しみ、憩いのひとときを過ごした。
コケや地衣類、粘菌を題材にした「じめじめ研究所」は恒例の人気スポット。「森にいる多様な生物を五感で味わえるように」とさまざまな工夫を凝らした。ツリーテラス下で、実物がずらりと並んだ。小さな粘菌を拡大鏡で観られ、植物の香りを味わえるコーナーも設けた。天井には地衣類などの生息する枝も張り巡らせた。タンクにためた水を流し、ポタポタと音をたてながら、コケに滴るように演出した。雨でじめじめ感も増し、来場者を楽しませた。
さまざまなアーティストの絵画を展示した「森の美術館」、下川中学校生徒の美術作品も森に広がった。
中学生作品は、自分を助けてくれる想像の生物「マイヒーロー」をテーマにした粘土作品(3年)、ステンドグラス作品「今、自分が生み出す色と形」(2年)を展示。絵画「植物の生命力を感じて」(1年)は雨で展示を断念した。
同丘を拠点とする北海道和種馬のハナも放牧され、実行委で餌のニンジンを販売。来場者が与えながら触れ合う様子が見られた。売り上げは森ジャム運営資金に充てる。
下川中の生徒4人が森ジャムのボランティアスタッフに参加し、ハナのニンジン販売、イベント案内所の商品販売を担当。渡辺遥さん(3年)は「将来の夢が接客業なので経験に結び付けたかったし、ハナちゃんと触れ合いたかった。いろいろな方に接客でき、学びが多い」と話す。
同丘と桜ヶ丘公園では多彩な体験、森林資源を生かした料理、菓子、スイーツ、飲み物、雑貨などが並び、森の時間を満喫。初日の夜は同丘で音楽、古着をリメイクしたファッションショー、飲食、たき火を楽しむ交流会も行われ、終始にぎわいを見せた。
古着リメイクファッションショーは、町内出身・在住の髙原小雪さんが地元で行いたかったことの一つで、森ジャム実行委の誘いを受けて実現。デザインから制作、モデルの指導まで幅広く担い、2週間にわたり寝る時間を削って準備を進めたとのこと。一部、実行委の家族に手伝ってもらった衣装もあるそうで、来場者に好評を得ていた、
音楽が例年以上に充実。2日目も下川に縁ある人たちが次々と歌や演奏を披露し、盛り上げた。