下川中3年生 クマ対策や観光など まちづくり学習全体発表会 現状や課題調査し振興策など提案

【下川】

 下川中学校(越湖憲治校長)の3年生22人は、25日午前10時から町公民館大ホールで、まちづくり学習の全体発表会を開催した。
 冒頭、生徒を代表して佐藤大翔さんが「2学期から、総合的な学習で、まちづくりについての現状や課題などをインタビューするなどして、どうすれば下川が盛り上がるかを考えてきました。発表を聞いて、意見をいただければ幸いです」と挨拶した。
 来賓として、田村泰司町長、古屋宏彦教育長、我孫子洋昌町議会議長が出席し、発表の講評を述べた。
 下川小学校の6年生18人も、発表会を控えていることから見学した。
 「増え続けるクマと下川町ができる対策とは?」と題して、中村山太さんが発表。クマ対策の現状に触れ、役場職員の中に猟銃免許を取得したハンターを置く「ガバメントハンターの設置」と、処分する処理場の開場時間が日中に限られているため、一時的に家などで保管しなければならないことから、猟友会関係者に限った「処理場の開場時間の延長」を提案した。
 講評で、田村町長は「地域の課題を取り上げてくれてありがとうございます。クマ対策は、国もいろいろと対応しており、町としてもガバメントハンターの育成など、担当部署と一緒に考えています。クマが市街地に出てこないよう、木の伐採や草刈りなど、国や道への要望も含めて実施していきたい」。
 「五味温泉の魅力を最大限に伝える!」と題して、上ケ島寧彩さん、前川乃杏さんが発表。五味温泉の認知度が低く、日帰りが多いことに触れ、「アウトレジャー×温泉」「地元食材×温泉」「大きな看板の設置」などを提案。地元食材を使ったメニュー提供では「しいたけの味噌マヨ焼き」「いちごチョコタルト」など5品を提案し、五味温泉、万里長城、矢内菓子舗、焼肉ハンターなどを巡る「五味温泉スタートのガイドブック」も提案した。
 古屋教育長は「五味温泉と町内の飲食店の組み合わせは良く、実現性も高い」。
 「光のアートは森から生まれる」と題して清水陽さんが発表。チームラボと協力し、下川アイスキャンドルの来場者数増、クラウドファンディングによる収益増などを語った。
 「廃棄される食べ物の有効活用」と題して、勝元立衛さん、津志田紗さん、小西琉椰さんが発表。特産品であるシイタケの生産過程で発生する「芽かきシイタケ」を使って、実際にピザを製作。「地元飲食店と協力して販売して」と提案した。
 「農家の後継者を増やす」と題して、小澤虹翔さん、菅野陽翔さんが発表。農業人口の減少や高齢化などについて触れ、農業に関する小学校のクラブ活動強化、農業機械のうどん祭り会場での展示などを実施し、農業に関心を持つ人の増加などを訴えた。
 「アイスキャンドルミュージアムのさらなる強化」と題して、武石桃佳さん、畑山果愛奈さんが発表。
 下川の2大行事であるうどん祭りに比べて、来場者や町外からの割合が低いことに触れ、同会場での「雪だるまinココア」を提案。実際にマシュマロとココアを作り来賓に試食してもらった。
 全体講評で、田村町長は「発表ありがとうございます。今年は、地域の皆さまと協力して実際に取り組めるものが多かった。あらためて感謝します」と挨拶。
 生徒を代表して、板橋太一さんが「生徒一人一人がマチの課題に向き合いました。提案をアイデアで終わらせるのではなく、まちづくりに生かしてほしい」と終わりの言葉を述べて終了した。

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