下川中3年生 地域への思いを形に 手延べうどんなどパッケージデザイン はるお製麺とタッグ組み実現

【下川】

下川中に展示されている生徒のデザインと佐藤教諭

下川中学校(越湖憲治校長)の3年生は、町内錦町のはるお製麺が製造販売している下川特産の手延べうどんなど商品のパッケージ(のし紙)をデザインした。デザインは全20種類用意され、はるお製麺の他、しもかわ観光協会で、乾麺を三つ購入すると、こののし紙(無作為抽出)で包んでもらえる。
このコラボ企画では、同校3年生が美術の授業の一環で作製したデザインを使用。同校美術科の佐藤芹香教諭によると、「下川の魅力を伝えること」をテーマに、中学校と地域の事業所が連携した初の試み。
佐藤教諭は「美術の授業を通じ、生徒たちに地域の方々とのつながりや、地域を大切にする心を育んでもらうことを目的に行った」という。
3年生全員のデザインを商品の包装に採用してもらいたい―と、下川町の特産品に着目。地元のはるお製麺に生徒とのコラボ企画の実施を打診したところ、快諾してもらえたとのこと。
昨年10月中旬から美術の授業でパッケージデザインの制作を開始。下川の良いところを出し合ったり、ゲスト講師に士別市出身のデザイナー・吉岡芽映(めい)さんを招いてアドバイスをもらったりしながら、模様や文字に特にこだわりながら取り組んだ。
生徒がそれぞれ考えたデザインは用紙に印刷し、同校の廊下に掲示。生徒みんなで見ながら、色の加減や改善点を出し合うなど、生徒が一丸となってより良い作品制作に努めてきた。
考案されたデザインは、下川の春夏秋冬の魅力をモチーフとした作品。下川の冬の象徴であるアイスキャンドルに着目した作品。うどんを暖簾(のれん)風にデザインした作品。うどんの製造工程を盛り込んだ作品など、生徒の個性があふれる全20種。
同校の階段踊り場付近には、試作品やデザインに込めた生徒一人一人の思いなどが展示されており、「うどんの材料は小麦粉、水、塩とシンプルなものだったので、小麦単体を押し出した」「下川の魅力として、春は万里の長城と満開の桜、夏はよく泳いでいるヤマメ、秋は動物やトドマツ、冬はシマエナガや雪遊びなどを描いてみた」「下川らしい自然や豊に育った小麦を水彩で表現。パッケージを見て、下川の自然にも思いをはせてほしいという思いを込めた」などのコメントが並び、生徒がデザインに込めた情熱がうかがえる。
佐藤教諭は3年前、新任で同校に着任したころから、地域と連携した取り組みを構想していたとのことで、「私が伝えてきたことを、生徒たちが立派に形にしてくれて『ありがとう』の気持ちでいっぱいです」と語る。
のし紙は計120枚作製され、なくなり次第終了となる。

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