【名寄】
名寄市地域子育て支援センターひまわりらんど(管野真奈美所長)主催の親子講座「少し気持ちが楽になる『いい加減』の子育て」講演会が、5日午前10時半から同館で開かれ、7組の親子が参加した。
講師は、名寄市立大学社会保育学科准教授の傳馬淳一郎さんが務めた。
傳馬さんは、自身の子どもの乳幼児期の写真を見せ、子育てを振り返りながら話した。
子どもの育ちと環境について、ジェームズ・J・ヘックマン氏の著書「幼児教育の経済学」を参考に、子どもに対する教育投資効果は、乳幼児期の投資が最も効果的で、就学後の教育の効率性を決めるのは、就学前の子育て・保育の質が大変重要であると述べた。
子育て・保育の質は、早期教育のような特別な働きかけをするのではなく、至極自然な子どもとの関係性(アタッチメント=親子間の愛情・愛着・ふれあいなど)を築くことが大切である―と述べた。
具体的には、知識などの「認知」以上に、優しさ、忍耐力、包容力などの「非認知」能力を促すことで、生涯の発達に影響があることを伝えた。
乳幼児期は、建物を建てる際の「基礎工事」の時期であると述べ、「基礎工事は、建物が建ってしまうと見えなくなるが、しっかりした建物かどうかは、確かな基礎工事なしには考えられない」と語った。また、乳幼児期にネグレクトされた子どもは、脳の発達に影響が出ることも指摘した。
最後に、絵本「ままみてて」を読み聞かせ、子どもの「イヤイヤ」は自立の証で、「見て見て!」は、基礎工事のチャンスです。ついつい切れてしまうのは、間違いなく子育てを頑張っているからで、「『いい加減な子育て』は、『良い加減な子育て』です」と、激励も含めて参加者に呼びかけた。
終了後のアンケートでは「初めての子なので頑張らなきゃ!と思いがちですが、『いい加減』な育児ができたらと思います。ありがとうございました」。「心に余裕がなくなった時は、この講座を思い出して子どもに接しようと思いました。とても楽しい講座でした。イヤイヤ期が来たら参考にします」。「今の私に刺さり…心が軽くなりました。『基礎工事』を大切にしたいと思いました。たくさん抱きしめます」。などの意見が出され、参加者は日頃の子育てに対する理解を深めていた。
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