利尻高校卒業の志摩さん・アメリカでの体験を報告 短期留学の経験を進路に活かす

利尻高校では2日、利尻富士町りぷらと利尻町どんとの2か所で、昨年10月4日から17日までにアメリカ短期留学を経験し、同校を卒業した志摩奏太さんの留学報告会を開催。現地で触れた文化や人との出会いなど数多くの貴重な経験を住民達に伝えた。
ラナルド・マクドナルド奨学基金支援の会による留学。2013年から始まった取り組みだが、新型コロナウイルスの影響で20年から22年は中止となったため、志摩さんの留学が4年振りとなった。
両会場には、合わせて約30人が来場。どんとで開かれた報告会で志摩さんは、短期留学に参加した理由として「高校卒業後も英語を学びたいと思い、短期留学が役立つと考えた」、「海外の文化に興味があった」などと4つの決め手を説明した。
現地ではオレゴン州アストリア市内のアストリア高校での授業見学。地元の住宅でホームステイ。ダンスパーティも体験したことなどを報告。
アメリカ人の故・ラナルド・マクドナルド氏(船員、冒険家)の墓も訪問。過去に、ペリーの来航前に濁流民を装って利尻島へ上陸し、その後は幽閉された長崎県で通訳者に英語を教えて日本で最初の英語教師といわれる。墓へ足を運んだことなどを通じ、歴史についても深く学ぶ機会なったと伝えた。
これらの活動を振り返り「出発当初は、英語を話すのが恥ずかしかった。ただ、現地の人と会話を重ね、英語を話すことへの抵抗感はなくなった。また、現地の人もゆっくりと話してくれて、聞き取りやすくしてくれた」と人々の優しさに触れたことも伝えた。
終了後、本紙の取材に志摩さんは今後、道内大学の英文学科で更に英語などの知識を高め、将来は英会話等を活かせる仕事に就きたい―とした。
利尻高校によると同様の留学は来年度、4月から5月中に人選を経て、9月中旬頃に行う予定という。
(原拓弥)