【名寄】
名寄警察署(米村和信署長)は、29日午前10時から市営南水泳プールで水難救助訓練を実施。名寄南小学校(井上隆一校長)の4年生が参加し、救助用ボートで避難するとともに、毛布を使用した負傷者救助を学んだ。
9月下旬、石川県能登半島地震被災地の能登地方北部を襲った記録的な豪雨により、多くの被災者が出ている中、同署管内でも甚大な水害に備えるため、天塩川と名寄川に挟まれた名寄市内で豪雨による水害を想定して訓練を行った。
今回、署員10人をはじめ、名寄南小4年生67人が要救助者役として参加。自宅や施設に取り残された児童を救出するため、同署に配置されている水難救助用のゴムボートを使用して、児童の水難救助訓練を実施。同校では社会科授業の一環として行った。
ボートは定員5人で、オール(パドル)でこぐタイプ。主に市街地で河川が氾濫した際に使用される。
児童たちは救助用ボートに乗り込み、プールの水面上を移動。水害を想定した救助や避難を体験した。
また、毛布を使用した負傷者の救助方法を理解。毛布を決まった通りに折り畳むことにより、負傷者を楽に搬送できることを学んでいた。
低体温症への対処方法では、毛布で身体をくるむ他、使い捨てカイロを胸(心臓)、脇、首に当てることにより、温められた血液が体中に循環することを知った。
米村署長は「天塩川と名寄川に挟まれた名寄市内で線状降水帯が発生すると、大変危険な事態をなるため、住民の方と一緒に訓練をして、万一に備えたい。実際の水害では、水が冷たく、泥も混ざっている過酷な状況となる。今回の訓練を第一歩として防災意識を持っていただければ」と話した。
今後は高齢者を対象として、同様の訓練を検討している。
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