下川町地域おこし協力隊(右肩) 5組7人が活動内容を報告 空き家流通、鳥獣被害防止、就農など

【下川】

活動報告を行った地域おこし協力隊員

下川町の地域おこし協力隊による活動報告会が、9日午後5時から町まちおこしセンター「コモレビ」で開かれ、協力隊員5組7人が空き家、農業、鳥獣対策、自家製ビール、ICT支援で報告。報告を聞いた参加者は85人(来場55人、オンライン30人)となり、活動への関心の高さが伺えた。
地域おこし協力隊は、都市から地方に移住、地域活動を行いながら定住を図る総務省の制度。下川町では現在、多様な分野で13人が活動。今回の報告会では多分野の隊員が報告したことが、注目度が高くなった要因の一つと考えられる。
1番手で2022度着任のタウンプロモーション推進部空き家コーディネーター・菅原睦美さん(宮城県出身)が報告。町内の空き家や物件の活用と流動化促進で活動中。 引き継ぎたい物件と使いたい人の仲介をメインに相談者の事務的サポートに取り組む。
「町内の空き家は60件。本年度成約数は前年度比2倍の25件。建物周辺の土地購入が増えた」とし、空き家状況別の取得費や改修費、北大との共同研究、空き家リフォームのワークショップ、中学生の学習対応なども報告。「今後は物件探しのサポートに加え、空き家を活用するためのサポートにも力を入れる」と述べた。
質問に「空き家バンクのサイトはあるが空き家希望者が多く、相談を受けている人へ優先的に伝えているため、まず相談していただきたい。新築・リフォームの助成は町だけでなく国の制度もあり、相談いただけたらと思う」と話した。
次に町産業振興課鳥獣対策支援員の2人で、昨年2月着任の澁谷麻斗さん(高知県出身)と、昨年4月着任の森俊輔さん(神奈川県出身)が登壇。2人は野生動物の管理や被害防止のため、電気柵の設置やヒグマ・アライグマ対応、エゾシカ捕獲や捕獲した個体の有効活用促進などを行っている。
「シカとクマの捕獲は猟友会のベテランに同行し、手伝いながら学んでいる。必要な知識・技術の習得のため、各セミナー・プログラムも受講した。ヒグマに理解を深めてもらう展示も行った。今後はシカ解体講座、ヒグマ講座、シカ角アクセサリーワークショップ、クマを近づけないよう草刈りやごみ拾いを地域協働で行うイベントを開催したい。捕獲もこれまでの学びを生かし、猟友会にサポートいただきながら、自分が主体に実践を積んでいけるようになりたい」と語った。
続いて2022年度に起業型協力隊「シモカワベアーズ」に着任した中村隆史さん(札幌市出身)が報告。クラフトビールのブルーパブ(店内に醸造所を併設し、造りたてビールが飲める店)を開業。2月から自家製ビールの提供も始めた。
2023年度着任のICT支援員、松浦文江さん(岡山県出身)は、小学校と中学校でパソコンの設定やネット環境の整備を担当。リモートやパソコンを使った授業のサポート、ネット犯罪の予防に向けた授業を行っている。
農業支援員の鬼頭俊一さん(2023年1月着任)、鬼頭めぐみさん(2022年4月着任)夫妻は、埼玉県から子どもたちと移住し、2025年1月の新規就農を目指して研修中だ。
来場者から質問も相次ぎ、応援ムードに包まれていた。