名寄青年会議所 「まずはAIを活用して」 70周年事業“なよろ未来カレッジ” 中村拓哉さん(調和技研社長)ら講師に学ぶ

【名寄】

 名寄青年会議所(古家健一理事長、会員16人)の創立70周年記念事業「なよろ未来カレッジ~つながる、ひろがる、未来の可能性~」が、25日午後2時から「よろーな」で開かれ、セミナーやトークセッション、ワークショップでAI(人工知能)について学んだ。
 同会議所は1954年に誕生し、56年に日本青年会議所より全国82番目の青年会議所として正式に認証。以来、市内で行われる各種イベントへの参加・協力をはじめ、まちづくりに関する活動を積極的に展開している。
 「なよろ未来カレッジ」は、名寄市の後援で開催。第1部は、北海道大学発AIベンチャー・株式会社調和技研(本社・札幌)代表取締役社長の中村拓哉さんによるセミナー。第2部は、中村さん、下川町在住のAIトレーナー阿部祐平さん、名寄市地域活性化起業人としてソフトバンクから出向している菅野賢一さんの3人によるトークセッション。第3部は「AIと挑戦 プロンプトミッション」をテーマとしたワークショップの3部構成。地域住民ら約50人が参加した。
 古家理事長が「AIを活用し、より良い生活や仕事につなげていければ―と考えている。私たちはこのAIに着目していく中で、限られた会員の中でもできることを見出している。この場を活用していただき、今後の成長につなげてもらいたい」と挨拶。
 第1部は、「仲間と動けばまちが変わる」をテーマにセミナー。中村さんは「AIを使える人と使えない人の間で、すでに日常業務のスピードも、生活の質も変わり始めている」とした他、AIはデータが重要であるとし、「AIは入力されたデータでのみしか推論できない」と述べた。
 AIを活用した事例として、画像判定、果樹防除タイミング予測、小売業の時間帯客数需要予測、シフト最適化、宅配ルートの最適化などを説明。
 産学官連携でAI人材を育成する「札幌AI道場」の取り組みの説明に続き、この日来名した同道場の学生である大学生4人が作成した名寄のちなんだAIプログラムを紹介。このうち、名寄市を擬人化したAIキャラクター「なよろの親父」では、どんな話題がふられても、最終的に全て名寄の話題に持っていくもので、参加者に好評だった。
 中村さんは、試してみることから全てが始まる―とし、「AIは人の可能性を広げる道具になった。ただ道具を使うのは人で、使わなければ何も始まらない。試してみること自体に意味があり、動けば誰かとつながり、何かが生まれ、次の大きな行動につながる。今自分にできることの積み重ねが、一番確かな力となる」などとメッセージを送った。
 第2部のトークセッションでは、ファシリテーター(進行役)の質問や、3人のパネリスト同士による質疑応答で進行。AIが事実に基づかない情報を生成するハルシネーションの防止などについて意見を交わした。
 第3部のワークショップ。AIのパフォーマンスを最大化するために不可欠な「プロンプト」(生成AIに指示を出すための指示)の設計について、実践形式で学びを深めるなど、AIの活用に理解を深めた。

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