安全安心な水道水確保へ、「下川浄水場」のお披露目会 「膜ろ過方式」で浄水能力向上、停電時は自家発電で安定供給

【下川】

下川浄水場のお披露目会が、1日午前10時40分から町役場前集合で開かれた。新浄水場は町内北町311の4(道道下川雄武線沿い)に建て替えられ、各公区長や議員らが参加して施設内を見学した。
下川浄水場は1969年、町内北町653に建設され、サンル川からくみ上げた水を浄水し、町内各家庭などに水道水を供給。しかし、55年が経過して施設の老朽化と水質確保対策の面から、施設の建て替えへ2023年に着工し、24年2月に完成。4月から本稼働となった。建て替え費用は約16億円。
新浄水場は鉄筋コンクリート造、地上2階建て、延床面積は790.95平方m。計画一日最大給水量は1460立方m。
施設の主な特徴としては、旧施設の「急速ろ過方式」から、最新の「膜ろ過方式」を採用。これまで以上に浄水能力が向上。
また、自家発電装置を備え、災害などによる停電時でも、水道水を安定供給が可能。
また、施設は無人運転が可能。旧施設は一日に職員2人態勢(午前、午後1人ずつ常駐)で管理していたが、町担当は「一日に一度、職員が訪れ、場内の点検や薬品の在庫確認、清掃などを行うが、それ以外は無人運転となる」としている。
なお、町内各所へ水道水を供給する配水場は、旧浄水場にあり、新施設と旧施設は約2kmの導水管でつながっているという。
お披露目会には約30人が参加。田村泰司町長が「施設の老朽化と水質確保対策の観点から建て替えとなり、3月からの試験給水を経て、4月から本格稼働を迎えた。管理コストの低減を図りながら将来にわたり安全安心な水道水の確保が可能となっている。なお、簡易水道事業については24年度から公営企業法の適用を受け、経営、資産の状況把握など、弾力的な経営を行っていきたいと考えており、今後一層のご理解とご支援をよろしく願いたい」などと挨拶した。
参加者は2班に分かれ、担当職員の説明を聞きながら、中央監視設備、ろ過・送水設備、薬品洗浄設備、非常用発電設備など場内を見学した。
このうち、中央監視設備では、場内の設備状況をモニターで確認が可能。また、役場のモニターでも施設の可動状況を確認することが可能とのこと(セキュリティー面から遠隔操作はできない)。設備は無人運転なため、万が一のトラブル発生の際は、異常箇所などが担当職員の携帯電話にメールが送信される仕組みという。
ろ過設備は、直径18cmのセラミック膜を内蔵したろ過装置を32本備え、セラミック膜の小さな穴に水を通すことで、濁りや細菌を除去するとのことなどの説明を聞き、参加者は安全安心な水道水の供給に理解を深めていた。