斬新なアイデア随所に取り入れ製作 名寄産業高校 機械・建築シ科 北田さん、橋本さん、川上さん優秀賞 高校生建築デザインコンクール、家族で子育て楽しめる住宅デザイン

【名寄】

2023年度高校生建築デザインコンクールで、名寄産業高校(八丁正樹校長)機械・建築システム科3年の北田秀明さん(18)・橋本陽南太さん(18)の共同作品と、同科3年の川上遥斗さん(18)の作品が優秀作品賞を受賞。ダブル受賞の快挙に、同校関係者から喜びの声が聞かれている。
同コンクールは、日本建築家協会北海道支部、北海道建築士事務所協会、北海道建築士会、北海道の4団体が共催。公共建築物のデザインで、高校生らしい夢のあるユニークなアイデアを広く募集するもの。本年度は道内5校から49作品の応募があり、最優秀作品賞1作品、優秀作品賞3作品など10作品が選出された。
テーマは「きた住まいるヴィレッジに建つ、子育てが楽しくなる北方型住宅」。自然豊かな南幌町で、地域に根差し、家族で伸び伸びと子育てを楽しむことができる北方型住宅を提案するもの。
北田さん、橋本さんによる作品名は「家族円満‐story of creating a Family」。2階建てで、1階はキッチンから子どもたちの様子を見ながら料理することができ、玄関以外にウッドデッキからも出入りできるように。2階は階段の位置を建物の真ん中にすることで、デッドスペースを極力減らし、部屋まで行くことを可能に。
建物の高い部分に採光用の吹き抜けの側窓を4枚配置するなど工夫。3室備えた子ども部屋は同じ広さに。
川上さんの作品名は「一家団らん‐Warm family」。3部屋が並ぶように設けられた子ども部屋は、一つ一つが独立した家のようなデザイン。3部屋とも同じ形状で、窓を大きめにデザインし、日光を取り入れやすくした。
平屋で建物の真ん中にリビングを配置。そのため窓を設けることができず、子ども部屋とリビングの間にある段差を活用し、採光用に高さ約50cmのスリット窓を設けるなど、両作品とも斬新なアイデアを随所に取り入れた住宅をデザインした。
同コンクールの賞状伝達は2月28日に同校で実施。上川総合振興局旭川建設管理部の大槻悟部長から3人に表彰状が贈られた。
3人は昨年の夏休み明けごろからコンクールに向け製作を開始。3カ月ほどかけ完成させたとのこと。特に苦労した点で「子どもが3人いる設定で、子ども部屋を同じ大きさ、デザインにするところが苦労した」と語る。
北田さんは小樽の大学へ進学予定で「将来は建築士を目指す」という。橋本さんは札幌の施工管理会社に就職するとのことで「ゆくゆくは建築士の資格も取得し、設計にも携わりたい」とのこと。
川上さんは地元のスーパーに就職が決まっており「畑違いの仕事だが本当にやりたいことが見つかった。住宅の模型を製作するにしても、どうやってお客さんに良い物を提供できるかに通ずるものがあり、自らの成長につながった」と話す。
北田さんは「3年間を共にした友人とデザインや設計を行い、賞を取れてうれしい」。
橋本さんは「賞が取れるとは思っていなかった。(下川町在住なため)帰宅時間が決まっているので、締め切り当日までぎりぎりまで作業し、賞が取れて本当にうれしい」。
川上さんは「今回の挑戦に不安もあったが、和田先生が担当してくれ、最後まで手を貸してくれ完成できた」と喜びを語る。
指導に当たった和田博之教諭は「コンクール出品の際、子どもは3人で、家族の年齢構成などもはっきりさせデザインすることが産業建築の伝統。昨年の最優秀賞受賞に続き、今回の優秀賞ダブル受賞はうれしくてしょうがない」と生徒の活躍をたたえる。