炭化から焼却、破砕に 2027年度の供用開始へ 名寄地区一般廃棄物中間処理施設 建設工事で安全祈願祭・起工式

【名寄】

安全祈願祭で苅初の儀を行う加藤市長

 (仮称)名寄地区一般廃棄物中間処理施設建設工事の安全祈願祭・起工式が、1日午前10時から市内大橋の旧清掃センター跡地で行われた。老朽化している炭化センターに替わる新たなごみの中間処理施設。2027年度からの供用開始を予定しており、同センターと同様に名寄、下川、美深、音威子府の4市町村のごみを受け入れる。
同施設は、現在稼働中の炭化センター(市内大橋)の老朽化に伴って新たに整備するもの。解体作業が終了した旧清掃センター跡地(炭化センター敷地内の北側)に建設される。
 現行の炭化方式をやめ、16時間の稼働で15tのごみを処理できるストーカ式焼却炉を2炉備えた焼却施設と、不燃ごみと粗大ごみを可燃物、不燃物、資源物(鉄、アルミ)に選別して処理する破砕選別施設を一体的に整備する。
 地球環境にも配慮したもので、焼却時の余熱を施設の給湯、暖房、ロードヒーティングなどで利用する他、水害時でも問題なく稼働させられる施設構造とするのも特徴。
 また、現在の炭化方式から焼却と破砕の処理方法に切り替えるため、新施設稼働後は一般家庭などにおけるごみ分別内容も変更となる。
 工事発注者は4市町村で組織する名寄地区衛生施設事務組合。施工は東京都の三機工業株式会社。総事業費は約71億円で、4市町村で負担(人口規模などが違うため割合は異なる)。国の補助金なども活用する。
 安全祈願祭・起工式には、4市町村の首長などをはじめ、同組合、工事関係者が出席。加藤剛士名寄市長による苅初の儀(かりそめのぎ)などに続き、出席者全員が玉串を奉納し、施設が無事に完成することを願った。
 神事終了後、同組合管理者の加藤市長が「広域で稼働していた炭化センターが20年を経過し、老朽化などに伴って新しい施設が望まれていた。新施設整備の道のりは平たんなものではなかったが、皆さんの指導、理解によって進めることができた。70億円を超える大きなプロジェクトとなることに加え、地域住民の関心もより強まることから、緊張感を持って進めたい。完成後は、ごみ分別が簡素化され、減量化にもつながる。分別の変更は住民生活にとっても大きな変化となるため、できるだけ早く伝え知らせたい」と挨拶。
 また、工事関係者に対して「完成まで長いプロジェクトとなるため、工事期間中は安全管理に留意して素晴らしい施設としてほしい」と協力を呼びかけた。