【美深】
美深高校(佐藤公敏校長)は19日、美深町幼児センター(井川健センター長)と合同で避難訓練を行い、河川氾濫を想定して高校に避難した。その後、「一日防災学校」を実施し、地形図を活用した防災学習、空き缶を使った炊飯、救命講習などに取り組んだ。
高校と幼児センターは道路を挟んで向かい合っており、互いに交流する行事などを実施している。
避難訓練は、天塩川が氾濫したことを想定。幼児センターでは、川の水があふれた―との放送が流れ、5歳児「ぞう組」、4歳児「きりん組」、3歳児「ぱんだ組」の子どもたちは屋外に出て、生徒たちに手を引かれながら、高校の3階に避難した。
避難完了後、佐藤校長は「上手に避難できていました。もしものことがあったら、今日のように避難してください」。
井川センター長は、東日本大震災(2011年)で、岩手県釜石市の児童生徒が防災学習の成果を生かし、全員が津波から避難した「釜石の奇跡」を説明。大地震など想定外の災害を踏まえ「想定にとらわれず、最善を尽くして、率先して避難してください」と呼びかけた。
その後、「一日防災学校」。安全に関する資質や能力を教科横断的な視点で育むため、授業に防災の要素を取り入れた。
1年生は地理総合の授業で、地形図を活用した防災学習。インターネットも利用し、地震や河川氾濫を想定した防災ハザードマップの見方を学んだ。
2年生は化学基礎で、非常時の蒸留水の作り方と空き缶を使った炊飯。まず空き缶の上部をコンクリートなど硬いものにこすり付けて開封した。
また、泥水を蒸留。沸騰すると水蒸気が発生し、冷やすと水になる原理を利用し、泥水の入った空き缶と空のコップをアルミホイルで作ったパイプでつなぎ、蒸留水を採取。空き缶に蒸留水と米を入れ、炊飯した。
3年生は体育で、美深消防署員による救命講習。心肺蘇生の方法とAED(自動体外式除細動器)の取り扱い方を学び、実践した。
数人いる場合、心肺蘇生、AED、119番通報などで役割分担すること。相手が小さな子どもの場合、AEDのパッドを胸と背中に貼り、心臓を挟み込むことも知った。
午後からは、自衛隊旭川地方協力本部名寄出張所の河村佳充所長による防災講話に耳を傾け、防災への意識を高めた。



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