【美深】
北海道立教育研究所による移動理科教室が、28日午前9時半から美深小学校(藤原雅宏校長、児童108人)で行われ、児童たちは不思議な科学の世界に興味を深めた。
教室は、同研究所が所有する科学設備展示自動車(サイエンスカー)などを活用した理科の実験や観察などを通じ、児童・生徒の理科に関する興味・関心を高めるとともに、教職員の教科指導力の向上を目指した取り組み。
主に、へき地・小規模の小中学校を対象に、1971年から行われており、2022年までの52年間で延べ1942校、5万6978人が参加。25年度は道内8管内18会場で実施を予定。
同校での移動理科教室は、同研究所と、ほくでんのエネルギー広報車「エネゴン」と連携して実施。同校3年生から6年生までの児童と、仁宇布小学校の児童8人、教職員5人も参加した。
午前中は5・6年生向けの授業で、5年生グループと6年生グループに分かれて行われた。
同研究所による化学体験は液体窒素を用いた実験を見学。同研究所研究研修主事の西條亨さんは「この授業は疑問を解き明かしていくもの。普段から『どうしてこうなるんだろう』という、不思議に思う気持ちを大切にしてほしい」と呼びかけた。
実験ではマイナス196度の液体窒素をやかんの中に入れると、超低温により空気中の酸素が液化。やかんから酸素のしずくが床に落ちて気化したり、酸素のしずくを炎に落とすと一瞬、激しく燃え上がった。
また、液体窒素に浸した“もやし”を、レンガの上に落とすと、まるで繊細なガラスが割れるような音を立てて、粉々になる様子などを見学。冷却したソフトテニスのボールをレンガの上に落とすと、大きな破裂音を上げて砕け散る様子などが目前で展開され、児童たちは驚きと興味津々といった表情で見入っていた。
ほくでんによるコーナーでは、発電の仕組みについて学習。コイルと磁石で発電する仕組みが解説された他、風力発電や水力発電、火力発電などの模型を可動させ、LED電球を点灯させたり、オルゴールを流したりと、実験を通じて発電の仕組みに理解を深めた。
また、5・6年生は引き続き、屋外に停車されたサイエンスカーにも乗車。車内に搭載されている機器体験を通じ、ミクロの世界や真空の世界を観察するなど、科学の世界を楽しんだ。


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