なよろ市立天文台 「解析作業が楽しかった」 小学生による小惑星発見P修了式

【名寄】

村上台長から修了証を受け取った
池田さん、伊藤さん(右から)

 なよろ市立天文台「きたすばる」(村上恭彦台長)の2025年度「小学生による小惑星発見プロジェクト」修了式が、11月30日午後3時から同天文台で行われた。
 同プロジェクトは、11年度からスタートし、本年度で15年目。毎年、名寄市内の小学5、6年生を対象に実施している。
 本年度は6人が参加。10月3、10、17、24、31日の金曜日チーム(4人)、10月4、11、18、25、11月1日の土曜日チーム(2人)に分かれて、午後8時から10時までの2時間、観測と解析に取り組んだ。講師は同天文台業務係の内藤博之係長、渡辺文健さんが務めた。
 同天文台所有の望遠鏡とカメラで夜空を撮影、解析作業を行って未知の小惑星発見を目指したが、今年は天候の悪い日が多く、リアルタイムで観測、解析できる機会が少なかった。
 そのため、過去に撮りためた写真データを使用して解析作業を実施。解析では、国立天文台ハワイ観測所にある「すばる望遠鏡」の撮影データを用いて小惑星を発見するウェブ上のソフト「COIAS(コイアス)」を利用した。
 その結果、金曜日チームは既知の小惑星(22等星、17年発見)を見つけた。土曜日チームは未知の小惑星を発見し、国際天文学連合(IAU)管轄の小惑星センター(MPC)に報告した。
 その後は小惑星に仮符号がついて、軌道が明確になると正式な発見となるが、それまでには長い時間を要するとのこと。
 修了式では、村上台長が参加者たちに修了証を手渡した。
 村上台長が挨拶し、「小惑星は、すぐに発見できるものではありませんが、熱心に取り組んできました。実際には、ものすごい数の小惑星があります。小惑星を発見することにより、将来的に地球との衝突を回避するため、できるだけ小さなものを見つけることが大切です」と重要性を語った。
 土曜日チームに参加した池田結翔さん(名寄小6年)は「発見は難しいですが、探してみて小惑星のようなものを見つけた時は、うれしかったです。これからも定期的に天文台へ通いたいです」。
 金曜日チームの伊藤蒼馬さん(中名寄小5年)は「未知の小惑星は見つけられなかったですが、解析する作業は楽しかったです。来年も参加して、新たな小惑星を発見したいです」と意気込んでいた。

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