【名寄・下川・美深】
国土交通省は、今年1月1日現在の地価公示価格を17日に公表した。
地価公示価格は、国土交通省が全国の不動産鑑定士に依頼して決定・公表する土地価格の指標(適正な時価)で、裁判の評価や、税金の基準とするために定めている。
税務署が相続税や贈与税の際に積算する評価額は、地価公示価格の80%程度、市町村の固定資産税の評価額は、同70%程度となっている。
公示された道内の商業地、住宅地などの全用途の平均は、前年比プラス1・3%(前年プラス2%)で10年連続の上昇。住宅地は、プラス0・6%(前年プラス1・4%)で、商業地はプラス2・5%(前年プラス3・1%)と、いずれも、伸び率は鈍化している。
上川管内では、全用途の平均でプラス0・1%(前年プラス0・4%)と横ばいとなっているが、上川北部では下落が目立つ。
本紙管内では、名寄市が、1平方m当たり住宅地平均8300円(マイナス1・2%)、商業地平均1万9600円(マイナス1・3%)。下川町が、住宅地同2300円(マイナス0・9%)、商業地同4400円(マイナス2・2%)。美深町が、住宅地同2200円(マイナス2・3%)、商業地同4800円(マイナス4・0%)となっており、いずれも、減少に歯止めがかかっていない。
本紙管内の公示価格の推移を〔表1〕にまとめた。
〈名寄〉
住宅地については、名寄地区の3地区では横ばいで、風連地区では、2地区とも下落している。
都道府県が、毎年7月1日現在を基準に発表する基準地価については、昨年南地区の2カ所(西5南12、西6南9)で久しぶりに上昇した。調査地点が異なることもあり、今回の地価公示価格では、横ばいまたは下落傾向が続いている。
商業地は、2地区とも下落に歯止めがかかっていない。
こうした現状について、名寄商工会議所の大野茂実会頭は、「人口減少に歯止めがかかっていない。地価の下落は、マチの価値の低下」と危機感を持って話す。商業地の中心部の下落傾向については、「徳田地区に大型店などが集中したこともあり、5丁目、6丁目の商店街を中心に後継者がいない」と述べ、名寄地区の住宅地については、「人口減少を考えると横ばいは、少し意外」と話す。
商工会議所としては、「職員と共に、会員事業所が何を望んでいるか―など、意見を吸い上げていきたい」と話す。また、市の「公共施設等再配置計画」などについては「スピード感を持って進めてほしい」と述べ、連携強化を図る考えを示した。
〈下川〉
住宅地は、南町222番地5が横ばいで、錦町117番地が微減。商業地も微減で、いずれも昨年と同様、下落傾向に歯止めがかかっていない。
公示価格の現状について、下川町商工会の平野好宏事務局長は、「地価の下落は、本町の経済力や将来性に対する市場の評価が、数字として表れたものと極めて重く受け止めている。これまで、商店街の活性化に向けたイベントなどを行ってきたが、人口減少や経営者の高齢化といった構造的な課題が、町全体の価値を押し下げる要因となっている厳しい現実があり、商工会としても強い危機感を抱いている。まずは、町と連携して進めている事業承継の支援に注力し、地域の商業基盤を次世代へ引き継ぐことで、一歩ずつ町の価値を取り戻していきたいと考えている」と語った。
〈美深〉
昨年同様、住宅地、商業地いずれも微減となっており、下落に歯止めがかかっていない。
こうした地価の現状について、美深町商工会の山崎晴一会長は「地価の下落は、地域経済の動向を示す重要な指標であり、商業地の下落に歯止めがかからない現状は、地域の商工業者にとって大きな影響を及ぼす深刻な課題」と話す。
また、「昨年は、北洋銀行美深支店の撤退に加え、長年地域を支えてきた老舗商店の廃業が相次ぎ、こうした動きが地価下落の一因となっていると考えている。加えて、人口減少も著しく、地域全体の活力低下が懸念される状況」と述べる。
一方で、飲食店の新規開店が増えるなど、地域の新たな状況についても触れ、「商工会としては、『美深町商工業担い手支援条例』をはじめとする各種制度の活用を促し、相談体制の強化に努めていきたい。新規事業の創出や事業承継の円滑化に向け、行政と一体となって支援策を推進し、地域経済の再活性化につなげていきたい」と語った。



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