【名寄】
なよろ市立天文台特別研究アドバイザー、前台長の佐野康男さん(66)は、りゅう座の銀河“NGC590”で超新星“2026kid”を発見した。佐野さんによる超新星発見は21年ぶり4個目となり、「新しいシステムを作ったので、早く報告することができた」と語る。
佐野さんは、自宅敷地の観測場で36cm望遠鏡にCCD(冷却電荷結合素子)カメラを取り付け、4月22日午後11時23分ごろ、りゅう座の銀河“NGC590”に16・6等の新天体を発見した。
国際天文学連合(IAU)の超新星ワーキンググループが運用する超新星専用サイトに報告したところ、中国・河北省のシンロン天文台の2・16m望遠鏡やアメリカ・アリゾナ州のMMT天文台の6・5m望遠鏡で分光観測を実施し、超新星(Ⅱ型)であることが確認された。
この分光観測結果を受けて、佐野さんが発見した新天体は超新星“2026kid”と命名された。
この超新星は、重たい恒星(太陽質量の10倍以上)が最後に爆発するタイプの超新星と考えられ、距離は約4700万光年と推測。爆発直後の発見と思われ、今後の詳細な研究が期待されている。
佐野さんが発見した超新星は4個目(1997ef、2002an、2005gl、2026kid)で、21年ぶりという超新星の発見間隔は国内最長記録。今年、日本人(個人)による発見は2人目(2個目)となる。
佐野さんによると、近年は世界各国にロボット望遠鏡があり、自動捜索で夜空を観測し、超新星などの特異な天体を発見するシステムが構築されており、「地域の天文台や個人が超新星を発見するのは難しくなっている。諦めず地道に観測してきてよかった。続けることに意義がある。新しいシステムを使用してスピーディーに超新星を発見。根拠となる計算もなるべくスピーディーにできるシステムを作ったので、早く報告することができ、本当にうれしい」と語る。
以前の発見時は、現在のようにインターネットが発達しておらず、情報の少なさや機材の性能が低かったこともあり、現在とは別な厳しさがあったとのこと。「機材が良くなり、情報もたくさんあり、目に映りやすくなった。機材は進化しているが、世の中の状況も変わり、膨大な数が発見され、狙っている人も増えている。雲をつかむように、砂の中から見つけるように―だが、やり続けないと見つけられない。『継続は力なり』です」と明かす。
2009年に脳幹梗塞を患い、半身まひとなったが、新天体発見への情熱を持ち続け、今回の超新星“2026kid”を発見。その後も新たな天体を見つけよう―と力を注ぎ、「30年前から同じことの繰り返し。目標として、名寄という極寒地の厳しい環境で発見したい。これまで発見した超新星もどのように変化しているのか観測したい。経過をたどって追跡するのも楽しみ」と意気込む。
今回の超新星発見について、イタリアの天文雑誌から取材を受け、掲載されることになり、「世界的に注目されているようで、貴重な発見だったのだろう」と話す。


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