真剣に取り組むアスリートたち スペシャルオリンピックス 名寄でボウリングプログラム

7月7日朝10時より、名寄の朝日ボウルにてスペシャルオリンピックスのボウリングプログラム(スペシャルオリンピックスではアスリートが参加し行っているスポーツのことをプログラムと呼ぶ) が行われた。
スペシャルオリンピックスとは、知的障がいのある人達に、様々なスポーツトレーニングとその成果の発表である競技会を、年間を通じて提供している国際的なスポーツ組織。4年に一度世界大会も開催される。
名寄市では夏はボウリングと陸上、冬はスキープログラムが行われている。このうちボウリングは4月から始まり、この日は4回目のプログラムとなった。競技する人のことをアスリートと呼び、この日のアスリートは根元唯充(ただみつ)さん、福永久人さん、小林康太さん、川村進さん、大黒亮さん、松実夏李(かい)さんの6人。松実さんは、今回は肩を痛めているため見学のみで参加。年齢は10代から40代と幅広い。冬のスキープログラムが始まるまでの期間に、ボウリングプログラムは年間全8回予定されている。 
名寄市立大学のSO(スペシャルオリンピックスの略)サークルに所属する学生たちと、一般の方がボランティアとしてサポートに来ている。この日はSOサークル長の玉木美翔さんを含めた4人の女子大生に加え、一般の方3人がボランティアとして参加。学生は一緒にボウリングをし、アスリートと触れ合う中で色々学ばせてもらっていると言う。
最初に参加者全員が集まり、自己紹介と挨拶の後、全員で柔軟体操をしっかり行いボウリングが始まった。アスリートもボランティアの人達も声を掛け合いながら真剣にボウルを投げていた。
アスリートは名寄だけではなく、下川、士別、美深、歌登から参加。士別から参加の松実陽子さんは息子の夏李(かい)さんの母であり、ファミリーとして参加するとともに2年前からはコーチとしても活動している。最初は夏季さんに運動をしてほしくて始めたとのことだが、夏季さんの意欲と頑張りで広島や愛知のボウリングの全国大会にも出場している。この日夏李さんは肩の傷みで見学をしていたが、ボウリングが初めての学生に投げ方などを丁寧に指導していた。
アスリートの人達は日頃からのトレーニングを積み重ねていくうちに目標ができ、意欲が出てくるという。競技会での色々な人との出会いも大切だ。そして、さらに上の目標もでき、意欲や向上心も高まる。それこそがスペシャルオリンピックスの目指すところなのだという。
今年はパリオリンピックの年でニュースはオリンピックの話題であふれている。オリンピックやパラリンピックが注目される中、名寄市では知的障がいのある人達のスペシャルオリンピックスの活動が、長年続けられてきていることにもっと注目したい。
なお、名寄地域での活動の連絡先は(株)北方印刷の楢山雪枝さん。楢山さんは今スペシャルオリンピックス日本・北海道の副理事長をしている。