【宗谷】
南中3年の石渡心良さんが、4月から陸上自衛隊高等工科学校(神奈川県横須賀市)に進学する。自衛隊旭川地方協力本部稚内地域事務所によると、同事務所担当地域の中学生が同校に進学するのは2015年以来10年ぶり。石渡さんは「人助けができる自衛官になりたい」と思いを胸に抱いている。
陸上自衛隊高等工科学校は陸上自衛官を養成する場として設置されている。高等学校の普通科と同等の教育とあわせて、陸上自衛官として必要な各種技術の専門教育や防衛基礎学、各種訓練を学ぶことができる。同校の入学者は特別職国家公務員として、各種手当の支給などを受けながら高等学校教育を受けることができる。
石渡さんはテレビの映像などで自然災害に伴う復旧作業や人命救助を行う自衛隊員の姿に憧れを抱き、同校への進学を決意。一般採用試験で1次試験の筆記と作文、2次試験の面接に臨んだ。試験では自衛官が監督し「とても緊張しました」と石渡さん。無事に合格を果たし、晴れて同校への入学が決まった。
進路決定に際し、石渡さんは両親から「自分の行きたいと思うところに進んでくれれば」と伝えられたという。「反対せず、後押しをしてくれました」と感謝を込めている。
今月下旬に稚内を発ち、横須賀に向かう。全国から集まった志を共にする仲間と寮生活が始まる。コミュニケーションに不安もあるが、防衛基礎学などを学ぶ楽しみもあるという。石渡さんは「北海道から出たことがないので、不安よりやりたいこと、楽しみなことの方が多いです」と笑顔。
将来については「最前線で手助けができる自衛官になりたい」と力強く抱負を述べた。
(東賢人)
