地域とともに歩む名寄市立大学 2

2 設置後の経過2

短大4大化の決議採択を伝える本紙(2003年9月掲載)

1990年代に入り、名寄市立総合病院付属准看護婦養成所の改組(高等看護学院への転換)、看護教育へのニーズなどにより、看護学科設置への期待は高まり、94年度に入学定員50人の看護学科が開設された。
これにより、学生全体の定員数は450人となった。
2000年代に入り、看護師などの専門職を養成する短期大学の4年制化が全国で進んでいた。こうした中、名寄短大においても、志願者数は減少し、質の高い専門職の養成は社会的なニーズであることも踏まえ、短大を4年制化する議論が進められた。
当時の各学科の志願者の状況や今後の見通し、社会的なニーズなどを幅広く検討した結果、看護学科、栄養学科、社会福祉学科の3学科で構成する「保健福祉学部」の設置と、短期大学部児童学科からなる4年制大学の構想が出された。
財政悪化への懸念などから市民の賛否が大きく分かれたものの、最終的に、島多慶志市長(当時)の決断と、短大4大化の推進決議が、03年9月の第3回市議会定例会で賛成多数(賛成14、反対7)で可決したことにより、4大化を目指すこととなった。
その後、04年度に大学設置準備室を設置して開学準備を行い、06年4月に「名寄市立大学」が開学し、第1期生202人(大学144人、短大58人)が入学した。
短大のまま残っていた児童学科についても、14年9月の第3回市議会定例会で設置された「名寄市立大学再編構想調査特別委員会」での審議、大学内の準備などを経て、16年4月に4年制の「社会保育学科」へ転換した。
これにより、栄養学科、看護学科、社会福祉学科、社会保育学科の4学科で構成する現在の名寄市立大学保健福祉学部となった。
また、保健・医療・福祉分野の専門職養成という建学の理念に基づき、精神保健福祉士養成課程(14年4月・定員20人)及び助産師課程(23年4月・定員4人)を、それぞれ設置した。