市史編さんノオト 2

名寄市史編さん事業が始まって3年あまりが経過しました。市史編さん室の事務所は北国博物館の2階にありますが、この短い期間にも景色に変化がありました。
最も大きな変化は、王子マテリア株式会社名寄工場が姿を消したことです。
西側の窓から、特徴ある大きな建物や煙突がよく見えていたのですが、まず、令和3年12月以降、操業停止によって煙突から煙が出ることはなくなりました。その後、令和4年夏ころから大型重機を用いて順次、工場建屋の撤去作業が行われました。そして、翌春ころまでには主要な作業が完了し、その音も聞こえなくなりました。令和6年現在は、博物館から見られる建物はなくなった状況です。
この間、市史編さん室は北国博物館と連携し、王子マテリアの協力を得て、2回に分けて施設や撤去作業を見学させていただくなどして、写真撮影など、工場の記録を残しました。ご厚意により、同社から寄贈をいただきました資料などは地域の歴史資料として博物館に収蔵いたしました。
このような、平成期における製紙工場の操業や廃止の経緯も令和7年度刊行予定の「名寄市史(新市版)」にしっかりと記述していく予定です。
さて、北国博物館前には、平成期になくなってしまった建物がもうひとつあります。16線踏切を渡った位置にあった「徳田団地」です。
徳田団地は昭和36~42年度にかけて道営の第2種住宅として建設され、昭和44年ころに市営住宅となりました。最大時15棟60戸があり、平成15年度に廃止されるまで利用されました。
平成16年度に解体撤去され、現在、跡地は空き地になっています。残念なことに、徳田団地に関する資料はさほど残っておらず、博物館は写真などをほとんど保有していない状況です。
もちろん、図面や外観の一部を撮影した写真は建築課にあるのですが、内部や当時の様子がはっきりわかる資料はほとんどありません。敷地内に児童公園(公共の広場)があったとされていますが、その写真もありません。
そこで、市民の皆様にお願いです。徳田団地に関する写真、そのほかの資料があれば、市史編さん室にご提供をいただけないでしょうか?
または、思い出などがあれば、ぜひ教えていただたいのです。市史に記述できることには限りがありますが、それに限らず、収集保存をしたいと考えています。
なお、そのほか、平成期の名寄地域の歴史資料についても引き続き収集を進めています。提供いただける資料がございましたら、市史編さん室までご連絡ください。(すでに保有している資料については、寄贈をお受けできない場合があります。また、写真については撮影された方についてや、人物がはっきり映っている場合、肖像権などについて確認をさせていただく場合があります)