環境省 ヒグマ出没を想定して訓練 下川で緊急銃猟に係る現地研修会 道、道警、猟友会、市町村など66人参加

【下川】

 環境省が主催する「緊急銃猟に係る現地研修会(北海道会場)」が、21日午前10時半から町バスターミナル合同センター及び名寄川河川敷を会場に開かれた。
 環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室、北海道及び上川総合振興局、北海道警察旭川方面本部及び名寄警察署、下川町、北海道猟友会名寄支部下川部会、道内各市町村担当者など、66人が出席した。
 冒頭、佐々木真二郎同省鳥獣保護管理室長が「今日は長丁場になりますが、訓練を通して日頃の鳥獣保護活動に生かしてほしい」などと挨拶した
 研修会は、座学、机上訓練、実地訓練の順で行われた。
 座学では、同省鳥獣保護管理室の高瀬裕貴室長補佐が「緊急銃猟制度と運用について」と題して講話した。
 高瀬さんは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律」の概要について説明。
 法改正の施行日は9月1日で、人の生活圏にクマ等が出没した場合、地域住民の安全の確保の下で銃猟を可能とした。同時に「緊急銃猟ガイドライン」も公表され、緊急銃猟の手順などを説明した。
 緊急銃猟とは、①人の日常生活圏であって安全確保が可能な場所②実施の判断は市町村が行う③主にライフル銃などで④ヒグマなどが出没した場合、安全を確保した上で―銃猟が可能となった。
 緊急銃猟を行うため、事前に準備しておくこととして、①緊急猟銃に関する計画の調整(実施計画等の検討)②安全の確保(人への弾丸の到達がないよう、通行禁止・制限範囲の決定、当該管理者等との調整・住民への周知など)③緊急銃猟の条件の確認(安全の確保に係る条件)④緊急銃猟の職員への指示又は外部への委託(チェックリストを用いて、法令で定める要件を候補者に確認、緊急銃猟職員への指示又は外部への委託)⑤緊急銃猟の実施(発砲)、実施後の対応(緊急銃猟の実施、現状回復、安全確保措置の解除、損失確認)―などを順に語った。
 その後、名寄川の河川敷でヒグマが目撃された―との前提で、緊急銃猟訓練を机上で実施し、昼食を挟んで現地で訓練した。
 実地訓練では、ヒグマの確認、警察署への通報、通行禁止区域の設置と交通規制、緊急銃猟の条件確認、銃猟職員への指示(外部委託)、緊急銃猟(発砲)などを順に実施。河川敷に姿を現したヒグマは、委託された猟友会下川部会の会員2人によって駆除。止め刺しの発砲も実施した。
 訓練終了後は、訓練を振り返り、意見交換して終了した。

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