東風連に来たドサンコ2頭

 これは2022年11月(2年前)に書いたものとしてお読みください。
下川町内で飼われる北海道和種馬(ドサンコ)は、2015年9月から筆者が飼う「ハナ」(10歳メス)、今年6月から友人・佐野美紀さんが飼う「ゆう」(4歳メス)とその子馬「ラミレス」(0歳オス、以降「ラミ」と表記)の3頭だったが、ラミは乳離れのため、10月18日に名寄市風連町東風連でポニー(小柄な馬の総称)を飼う、森谷國生さんに引き取られた。
 森谷さんは(https://dohoku.net/%e6%9d%b1%e9%a2%a8%e9%80%a3%e3%81%ae%e5%b0%8f%e3%81%95%e3%81%aa%e9%a6%ac%e3%81%9f%e3%81%a1/ )で紹介。昨年11月に訪れたとき、和種馬よりも小さな品種のポニーを飼い「もう少し大きな、乗馬できる馬も飼いたい」と話していたが、佐野さんの「ゆう」(移動前にラミも出産)購入に合わせ、森谷さんも6月に同じ牧場から北海道和種馬の「ジャスミン」(2歳メス、栗粕毛)を購入した。命名は孫とのこと。来年、初出産を迎えるそうだ。
 佐野さんと筆者たちは、11月5日、森谷さんに買い取られたラミに会いに行った。森谷さんは自宅周辺で馬を飼っていたが、2カ月前に離農地の豚小屋を再利用し、馬の厩舎(きゅうしゃ)と放牧地を設けた。
 厩舎には10頭分の馬房(個室)があり、ラミとジャスミンを含め8頭を飼うが、ポニーのオス1頭は一緒に放せず、自宅周辺に残して飼っている。
 馬を放牧して飼うが、東風連の渡辺孝さんの飼育方法(https://dohoku.net/%e5%b1%b1%e3%81%a8%e5%8e%a9%e8%88%8e%e3%82%92%e5%be%80%e6%9d%a5%e3%81%99%e3%82%8b%e6%9d%b1%e9%a2%a8%e9%80%a3%e3%81%ae%e9%a6%ac/ )を見習い、馬を人に慣らすため、毎日1回1時間程度、馬房に入れる。餌を上げて、健康状態を確認するなど接する時間を設けた後、再び放牧している。
 ラミは生まれた芽室町の牧場で、母馬ゆうと群れの中で1カ月過ごした後、ゆうと共に下川町へ。好奇心旺盛のわんぱく坊主に成長し、歯がゆいのか、かみぐせも目立った。
 ラミのエネルギーの発散先は他の馬がいない分、ゆうに集中。乳を吸って甘えては体をかみ、背後から乗っかかるなど、ゆうの負担は大きくなっていた。
 そんなラミも母馬と離れ、森谷さんのもとで集団生活をスタート。先輩ポニーにもまれておとなしくなり、同じ牧場出身で同じ和種のジャスミンに、ぴったりくっついている。
 馬たちは森谷さんの指示で自ら厩舎に移動し、各自の馬房に入るのだが、ラミはジャスミンの後について厩舎に向かった。ジャスミンの馬房に一緒に入り、森谷さんに注意されて、自分の馬房に移動した。放牧地に戻るときも、他の馬房に入って餌を食べようとしたが、注意されると放牧地まで歩いていった。
 集団生活のルールを学びながら生きる、ラミの健気な姿に声援を送りたい。
 佐野さんは「馬を買った牧場で、後で子馬を引き取ってよいとの話だったので、それが選択肢の一つにあったが、近場の森谷さんに引き取っていただいたことで、たまに会いに行くこともできる。ゆうの負担が減り、産後の体力回復も進む」と森谷さんに感謝の気持ちを述べる。

<2022年11月27日付名寄新聞掲載の記事を基に再構成しました>