名寄警察署 「特殊詐欺被害の防止を」 金メダリスト阿部さんが一日署長 寸劇や啓発活動で呼びかける

【名寄】

 リレハンメル冬季五輪ノルディック複合団体の金メダリストで、名寄市スポーツ振興アドバイザーを務める阿部雅司さんは10日、名寄警察署(菊地俊也署長)の一日署長を務め、近年、全国的に被害が拡大している特殊詐欺被害の防止へ広報活動などを行った。
 この日は阿部さんを講師に、午前8時45分から名寄署で教養セミナーを実施。その後、イオン名寄店に移動。多くの来店者が見守る中、委嘱状の交付式が行われた。
 菊地署長が「管内では昨年、特殊詐欺事件が6件発生し、被害額は750万円に上る。先月には1700万円をだまし取られる被害も発生しており、特殊詐欺は私たちの間近に迫っている。名寄管内から特殊詐欺被害を出さないという機運を高めていきたい」と挨拶。菊地署長から阿部さんに一日警察署長の委嘱状が手渡された。
 委嘱を受け、阿部さんは「特殊詐欺撲滅を目指し、一日警察署長としてしっかり務めさせていただきます」と決意を述べた。
 その後、交付式に参加した、認定こども園風連幼稚園の年長園児12人が登壇し、「おじいちゃん、おばあちゃん、さぎにはきをつけてね」と呼びかけた。
 続いて、阿部さんと名寄署員が出演し、特殊詐欺被害防止を呼びかける寸劇を披露。警察官を語った特殊詐欺を題材に、「あなたの銀行口座が詐欺に使われており、逮捕状が出ている。口座を調査するために協力してほしい」という実在したケース。ATMから現金を振り込むよう要求されたが、不審に思った店員が警察に通報し、被害を防止できたという内容を熱演。
 警察官役の阿部さんは、詐欺に遭わないポイントとして「警官がSNSなどを通じて連絡したり、金銭を要求することは決してない。身に覚えのない電話があった場合は慌てずに切り、警察相談電話『♯9110』へ相談を」と呼びかけた。
 また、園児たちは災害発生時に役立つ四つのポーズにも挑戦。地震が発生した際、机の下に頭を隠し机の脚を持つ「サルのポーズ」、火災が発生した際に身を低くして両手で口を隠しながら避難する「アライグマのポーズ」などを学んだ。
 引き続き、阿部さんや防犯団体による啓発活動を店内で実施。来店者に啓発グッズを手渡しながら、特殊詐欺被害防止を呼びかけていた。

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