公認会計士1次試験を突破 下川商業高卒・高崎商科大1年の 山岡祥大さん 夢実現へ向けて猛勉強、学びをサポートする人に―と意欲

【下川・名寄】

公認会計士1次試験に合格した山岡祥大さん

名寄市出身で下川商業高校を卒業した山岡祥大さん(18)は、昨年4月に群馬県の高崎商科大学へ学費全額免除の特待生として進学。12月には公認会計士試験の1次試験(短答式4科目)に正解率85%越えで合格。公認会計士を目指し、着実に歩みを進めている。
山岡さんは同高で簿記・会計を学ぶ楽しさを知り、夢中で勉強に励み、高校在学中に税理士試験受験資格の簿記能力検定上級(全国経理教育協会主催)、大学卒業レベルの簿記検定1級(日本商工会議所主催)、税理士試験のうち会計学2科目(簿記論・財務諸表論)に合格。同大商学部会計学科へと進学した。ひとり暮らしをしながら、授業以外の時間も、併設する経理研究所で集中的に勉強に励んでいる。
公認会計士試験の1次試験3カ月前からは土日も含め毎日午前7時に登校して模試を解き、テキストを読みながら食事をするなど、無我夢中で勉強を重ねた。試験まで1週間となると、勉強のことが頭から離れず寝不足が続き、前日は楽しみと不安の両方で一睡もできなかったそう。
1次試験は短答式(合計500点満点)の財務会計論(200点満点)、管理会計論、監査論、企業法(各100点満点)で、合格基準は今回75%(375点以上)となったが、山岡さんは428点を獲得。同大の学生の中では1位の成績で突破。1月19日に合格発表を受けた。「模試で合格基準を超えた回数は2割程度だったが、試験本番ではスラスラ解け、やり遂げた感があった。目標にした大学の先輩にも勝てた」と語る。
今後は、8月に2次試験となる論文筆記試験に挑む。合格すると実務経験となるため、大学卒業後は監査法人に3年間勤務し、最終考査で認められる必要がある。「大学2年の今年で合格し、残りの大学生活2年(3、4年生時)は、他の学生の勉強をサポートしたい」と言う。
大学入学後は、先生から周りの人への感謝の気持ちを大切にするよう教わり、将来の夢を「公認会計士を目指せるのは簿記・会計を教えてくれた下川商業高校時代の恩師・遠藤謙太教諭、周りの方たちの助けがあったからなので、公認会計士になって働きながら、自分も簿記・会計を学びたい人を増やす機会、学べる環境を提供したい」と膨らませる。
大学に進学して「やりたいことができている。勇気をもって遠い場所で勉強する道を決断して良かった。本気で簿記・会計を学びたい人はこっちに来てほしい。それが身近にある。学ぶ過程が大切だと思う」と後輩に呼びかける。
同高の遠藤教諭は「山岡さんが一生懸命に頑張る姿にエネルギーをもらっている。彼に続いて生徒を送り出せたらと思う。山岡さんは道半ばだが、同じ社会人として働ける日を楽しみにしている」と激励の言葉を送る。