詩吟活動へ多大な尽力 江藤稔彦さんに名寄文協賞、記者発表で受賞決定を喜ぶ

【名寄】

文協賞の受賞が決まった江藤稔彦さん

名寄市文化協会(佐藤源嗣会長)の2023年度名寄文協賞に、日本詩吟学院認可の旭川岳風会・名寄吟詠会代表の江藤稔彦さん(81)=雅号・岳秀=の受賞が決定した。18日午前10時から市民文化センターで記者発表が行われ、江藤さんは受賞の知らせを喜んでいた。
市内在住の江藤さんは大分県安心院町の生まれ。1979年、自衛隊入隊に伴って名寄に移り住み、職場の友人に誘われたことがきっかけとなり、同年7月に当時の日本詩吟学院岳風会名寄支部員となり、同支部所属の吟声会に入会して通い始め、詩吟活動をスタートさせた。
入会以来、詩吟の魅力にはまり、自身の吟道に精進を積み重ね、91年に師範、2004年に正師範、06年には総伝の資格を取得。後輩の指導にも大きく貢献している。
同名寄支部の運営にも大きく尽力。1995年から事務局長、97年から副会長、2016年から支部長を務めた他、22年からは改名された現在の旭川岳風会代議員と審査員にも就任。道北全体の詩吟文化の向上や伝承に欠かせない存在となっている。
また、15年にエンレイホールで開催した名寄支部創立60周年行事と北・北海道岳風会(現在の旭川岳風会)設立6周年記念大会の成功に貢献。名寄文化協会役員としても各種事業へ積極的に協力するとともに、16年から協会の吟道部長として運営に参画し、組織の発展に尽力している。
今回の受賞は、40年以上の長きにわたる詩吟活動が高く評価されたもの。江藤さんは「長い歴史ある文協賞をいただけるとは夢にも思っていなかったので、非常にありがたくうれしい」と受賞を喜んでいる。
今までの活動で印象に残っていることとして、約16年間務めた事務局長業務を振り返り、「資格に関わる申請などの事務手続きの際、1字でも間違うとやり直しとなる厳しいものだった。名前の正式な漢字で本人も分からない場合もあり、戸籍などを調べたこともあった」と話していた。
代表を務めている名寄吟詠会で、毎週月曜日に「よろーな」で開催している例会の昼の部の指導を担当しており、「会員は15人で全員が高齢者。会員数は減少しているため、できるだけ会員を減らさないように努めたい」と話す。
江藤さんと同様、詩吟活動の功績によって21年度文協賞を受賞した佐藤会長(霞朗詠会所属)は「長年培われてきた日本の文化であり、これからも共に大切にしながら活動していただきたい」と詩吟仲間の受賞を祝っていた。
文協賞の授賞式は、30日午後6時から紅花会館で開催の同協会新年研修会の席上で行われる。