愛馬、市街地庭で多世代と触れ合う

今回から少し未掲載の過去のコラムをつづりたい。
2017年当時のコラムで、今では当たり前となったまちなかの愛馬ハナの放牧だが、これはまだ、その始まりの話だ。以下につづる。
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筆者が下川町内で飼う愛馬「ハナ」は、2017年5月15日から1カ月間、町内市街地付近の美桑が丘林内に滞在。その間、週に1、2回ずつ、乗馬で市街地内の道路を走りながら、柵を設けた自宅庭へ移動して放牧した。地元の方々の暮らしの中に、馬を身近に感じてもらいたかったからである。
 筆者の自宅は小学校の近所。早朝の運動を終えた後、自宅庭へ到着する時間がちょうど通学時間に重なり、登校中の児童が道行く愛馬の姿を見て、その日が自宅庭の放牧日であることを知る。児童によると、校舎内からも自宅庭の愛馬が見えるらしい。児童は放課後に愛馬がいることを確認すると、帰宅後に、再び愛馬と触れ合いに来てくれる。
 自宅庭放牧を重ねるごとに、愛馬は児童にとって身近な存在になった。「ハナ、久しぶり」「ハナ、おはよう」と声をかけてくれる。刈り取ったタンポポを、食べさせてくれる児童もいる。ご高齢の方や、幼児や保護者、若者など幅広い世代の人たちも、来てくれるようになった。
 夕方になると、再び鞍(くら)を着けて乗馬で美桑が丘へ戻るが、自転車に乗って見に来た子どもたちが同行するときもある。馬と自転車は共に軽車両。安全第一、交通ルール厳守で走る。想像以上に速く走る愛馬に、驚き、目を輝かせる子どももいる。
 愛馬は、初めて市街地の自宅庭へ放牧した際、動き回って落ち着かなかったが、回を重ねるごとに環境に慣れ、リラックスするようになった。のんびり昼寝するときもある。食も進み、庭に生えた雑草はすっかりなくなった。
 あらゆる環境に慣れることは、愛馬自身の成長にも結び付く。
自宅庭の放牧はその後もずっと継続しており、さまざまな触れ合いが生まれているが、
それはまたの機会に話したい。

<今回は名寄新聞の2017年6月10日付掲載記事を基に再構成しました>